【ロンドン2024_7】The Lehman Trilogy〜ずっと役者とピアノを味わう

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1本は名作を見なければ!ということで予約した本作。2019年ローレンスオリビエ作品賞・主演男優賞・演出・セットデザイン・音響にノミネート、2022年トニー賞演劇作品賞受賞、主演男優をサイモンラッセルビールが、演出、装置、照明が受賞している。

ちょうど凱旋公演をロンドンで上演していたので、見にいくことにした。

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マチソワ続きの4本目ということで中盤、眠気との戦いになった。

マチソワ時は、マチネに演劇や静かな作品、ソワレにミュージカルやエンタメ作品を持ってくると、集中力を維持しやすいというか、そうでないと寝るという学びを得た。

1幕

•観に来てよかったなぁ
•ピアノと全体が常に目に入る。ライブビューイングも面白いけど、現地の視野の広さは別物なんだなぁ。
•ヘンリーリーマンは、NT at Home「から騒ぎ」ヴェネディックの人だった。
 ーあのキモヴェネディックの印象が強いが、上手い〜!!
 ーどうしてもオリジナルキャストだったまるみの君(フォロイー様より引用)ことサイモン・ラッセルビールが脳内にチラつくけど、無理に演技を近づけすぎず、自然な感じ
•キャストにすごく話しかけられる。
 ーナレーションが多用される作品なので、客席にいると当たり前なのだが語りかけられる
 ー役者が良く客席を見ているなぁというのが実感できて、ライブビュよりもプレゼンテーションの感じが強い

◆2幕
・い、意識が…
 ー台本予習をしたのは1、3幕だったのもあり、1度見た余裕もあり、眠気との戦い

・役者さんの集中力がすごい
 ーずっと舞台上にいる。そしてセリフが長い
 ー他の人のナレーション時も何か用意しているか、動作しているか

・メイヤーリーマンも、初演のAdam Godleyの怪演の印象が強い
 ー今回のAaron Krohnは、女性役の時もそんなにナヨナヨせず、ガタイもいいので全く別に映る

◆3幕
•予習大事、言っていることがわかると目が覚める
•舞台装置の透明な四角の箱は、常に斜めって止まる
•やっぱり初演の3人のキャストのバランスが絶妙だなと改めて思う。上手さだけでなく、それぞれの味が異なる方向なので、3人で演じる広がりがあったというか
•終演後はスタンディングオベーション
•常に、透明壁に書いた数字が見えて、最後はオフィスの立ち尽くす社員さんたちと、最初の3人という構図
ー数字がたくさん書いてあるからこそ、走馬灯の効果があり。
ーその前にリーマンの文字を消していたところ含めて、ほんとに良い演出だな。

•くるくる回る舞台は自然で気にならず

全体を通じて、ライブビューイングで見た時よりも、情報量が多く雑然とした印象を受けた。

ライブビューイングだと、各種暗喩が少し単調な印象を受けたが、現地だとむしろその情報の概念化と印象づけが無いと見続けるのは厳しかったと思う。

某リーマンが!、という話が出てきてもカメラがパンするライブビューイングと、よそ見している可能性のある舞台だと、語りの理解度に大きく差が出るので、ついていくのに労力が必要なのだ。

とても楽しくて現地で見たことに後悔は無いが、マチソワともに見たことがある作品だったため、やはり初見の作品を見るワクワク感も大切にしていきたいな、という学びを得た。

↑というのが現地でのメモなのだが、帰国後リーマントリロジーのサントラを聴きながら改めて楽しかったなぁと思い出したりしている。
客席に座った生の感動は忘れ得ないものなので、ただただ少ない観劇枠と多すぎる素晴らし舞台の数が恨めしいのである。


John Heffernan (Henry Lehman)
Aaron Krohn (Mayer Lehman)
Howard W. Overshown (Emanuel Lehman)
Cat Beverridgh (Pianist)


Stefano Massini (Author)
Ben Power (Adaptor)
Sam Mendes (Director)
Es Devlin (Set Designer)
Jon Clark (Lighting Designer)