シルク・ド・ソレイユ「キュリオス」感想@お台場ビックトップ

どもども。花粉症出ない人に辛さを説明しようとして、「埃だらけの家の中にいるみたい」と説明したところ「埃じゃなくて花粉じゃん」と言われたケイです。違う、そうだけどそうじゃ無い。

テーマがスチームパンクと聞いてどうしても行きたかったシルク・ド・ソレイユに行ってきた。無事昇天できたので、感想を残しておきたい。

会場はサーカスらしいテント興行。入場の段階でテンションが爆上がりだった。

電球や歯車モチーフのグッズもツボすぎて、入場した瞬間になぜか4つもキーホルダーを購入(後悔はしていない。今治タオルやパンフレット、宝物箱モチーフのお菓子ボックスなど全グッズがストライクすぎて辛かった。

シルク・ド・ソレイユ


Cirque du Soleil、フランス語で太陽のサーカスだ。
カナダモントリオールを拠点としているので、基本歌もセリフもフランス語だ。英語だとサーカス・オブ・ザ・サンだけど、英語圏でもシルク・ドゥ・ソレイユで通している。

泣く子も黙る世界的なサーカス団だ。ラスベガスなどのリゾート地での常設公演と、移動興行で構成されている。トーテム、オーヴォ、クーザなど移動興行はしばしば日本にもやってきている。

▼過去演目の演出と演目はこちらのまとめが詳しい。
「トーテム」まで、歴代シルク・ドゥ・ソレイユ日本公演作まとめ

日本での常設公演は「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」(現舞浜アンフィシアター
)にて専用演目の「ZED」が2008年から2011年まで上演されていたが、客入りが振るわずクローズしている。フロリダのオーランドでも常設公演「ラ・ヌーバ」があるため、いよいよディズニーリゾート地として発展してくのかぁ・・・と思っていた矢先にクローズしてしまった感があった。

憧れの「オー」と「カー」


(photo:Cirque du Soleil)
ラスベガスでは、ホテル併設の劇場で巨大設備の興行を行っているのは有名だ。
特に巨大なプールを利用した「O」と、そり立つ巨大なステージの「Kà」は人気演目。筆者も人生で一度は、現地で見たいと思っている。オー、とカー。知らない人に言うと聞き返される演目NO.1である。

▼ラスベガスの常設劇場での興行8演目
ラスベガス総合情報サイト「ラスベガスのシルクドゥソレイユ」


(photo:Cirque du Soleil)
「O」の巨大プール。映画とYoutubeで一部を観ただけだが、とても幻想的なのだろう。


(photo:Cirque du Soleil)
「Kà」のステージが反り立つ壁になる装置。客席の小ささから、壁の巨大さを類推できる。


シルク・ドゥ・ソレイユ 彼方からの物語 (字幕版)
ちなみに、ラスベガスの人気演目をつないで映画化した2012年の作品「シルク・ドゥ・ソレイユ彼方からの物語」はアマゾンプライム会員だと無料で観ることができる。※上記リンクから飛べます。
「あ〜シルクドソレイユ〜」と思う独特のシルク・ド・ソレイユ感が詰め込まれていた(語彙力。映画なので曲芸のハラハラ感は無いが、世界観は味わえる。

キュリオス

今回のキュリオスは2014年に北米ツアーをスタートし、2018年に海外では初めて日本に上陸する形になっている(wikiより)。

スチームパンク美味しいです。


(photo:Cirque du Soleil)
映画を見てから、気になってはいたが足が遠のいていたシルク・ド・ソレイユ。近未来感がある演出が、筆者の好きな方向性とはやや異なっていたのだ。

しかし、2018年キュリオスのテーマはスチームパンク。

舞台は、産業革命の時代を彷彿させながら、近未来を感じさせる雰囲気。目に見えない世界が存在すると信じているシーカー(主人公)が、あちこちから集めた骨董品などのコレクションの中から間に合わせのアイテムで作った機械の世界に足を踏み入れるところからストーリーは始まります。(以上、公式サイトより)

そして、異世界漂流もの!!

『キュリオス』は、舞台後方の壁にかかっている時計が11:11の時を刻むところからスタートし、11:12になる頃には現実に帰るという設定になっている。(以上、公式サイトより)

ファンタジーやスチームパンク、ヴィクトリア調、シャーロック・ホームズあたりのワードにドキがムネムネする筆者。スチームパンク+シルク・ド・ソレイユの組み合わせに、居ても立ってもいられずチケットを入手したのだった。
予算の関係上のランクの低い席だったが、曲芸も演出もサイドからも観られるように配慮された演出だったので、臨場感は十分だった。


左サイドからの風景

歯車に加えて電波や電気がメインモチーフなので、果たしてスチームパンクなのか?という疑問はうっすら残ったが、衣装や登場人物、演出など最後までトキメキが止まらなかった。

スチームパンク関連のおすすめサイト
▼日本のスチームパンク界の有名人五十嵐麻理さんのブログ
スチームパンク大百科〜蒸気夫人の蒸気邸宅DIY改造計画〜
メイド服での家事や、各種家具のスチームパンク装飾など読んでいて興味が尽きない。圧倒的なコンテンツの量と中身。

▼スチームパンクの定義
妄想科学倶楽部「スチームパンクの技術史」

豪華なオープニング演目「カオス・シンクロ1900」

上演前から出演者によるパフォーマンスが行われているので、観に行く人はちょっと早めに到着するといいと思う。また、できるだけ予備知識無く観た方が楽しめる。


生演奏と生歌から始まるオープニング。客席を線路に見立てて黒子が操るパペットの汽車が一周し、そのあと舞台上へ汽車が到着。乗客が次から次へと降りてきて、そのままドラムやジャグリング、パントマイム、ダンスなどのパフォーマンスが始まる。
皆レトロな格好だし、あちこちで出し物をしているので目がたくさん欲しい度120%だ。このオープニングだけで筆者は感極まった。

テント興行でも飽きない工夫

今回改めてすごいなぁと思ったのが、出はけの工夫だ。
電球を型どった円形ステージの出口は2つしかない。舞台正面奥のカーテンの間と、舞台の上方(!)だ。


横からのイメージ図(横と上の出入り口)

また常設公演と違ってテントのため奈落は一切登場しない舞台下へ落ちたり、舞台下から装置がせり出したりできないのだ。
舞台装置と登場人物ともに、舞台正面か上のどちらかを通る必要がある。これってものすごい制約だ。しかし、クラウンが目線をそらせたり、あっと言わせるようなものが出てくることで一切飽きることは無かった。

同じく装置とファンタジーで夢中になったロイヤルバレエ不思議の国のアリスの紹介記事はこちら。
▼バレエ「不思議の国のアリス」の設定や衣装、インタビュー紹介

【ロイヤルバレエ】不思議の国のアリスの予習!

2017.10.22

出入り口として舞台上方も計算に入っている事実に途中で気づいて、以来ものすごく興奮している。人が降りてくるだけでなく、宙づりの自転車や飛行機が収納されたり・・・選ばれし能力者たちの公演感がすごくないだろうか。ツボすぎる。

特に筆者が一番心に残ったのが、前半のバランシング・オン・チェアの演目だ。椅子を重ねてバランスを取る曲芸自体は馴染みのあるものだと思うが、鳥肌が立った。

(photo:Cirque du Soleil)
この画像では切れている部分、特に舞台上方に何があったものとは・・・?
公演期間が7月までと長いので、このシーンについては別途加筆したい。ちなみに公式サイトでちょっとネタバレしている。

▼詳細の演目一覧は公式サイトへ

他の演目も歓声をあげたり、愉快で笑ったり、演出に感動して泣いたり、とにかく忙しかった。

ミニ・リリーに思うこと

今回の演目では、ミスター・マイクロコスモスのも一人の姿であるミニ・リリーという小さい人のキャラクターが登場する。お腹を叩くと住んでいるので、この登場シーンはあっけにとられた。

その後も彼女はキーキャラクターとして、舞台を引っ張っていた。彼女の持ち物である雨傘が次のシーンの背景になったりと、演出自体も非常にリスペクトに満ちていたように思う。

他にもシャム双生児をモデルとした2名の男性が腕を組んで出てきた後で、別れてエアリアルを披露する演目「エアリアル・ストラップ」もあった。

こちらも単なる繋がった人としての描き方で無く、善悪のような人の2面性だったり、人と人との依存であったりを描くようなアートに昇華されていたように思う。

電気ウナギに見立てて柔軟性を披露する「コントーション」など、そもそも他の演目も人間らしからぬ動きを見世物にする演目ばかりだ。折しもグレイテスト・ショーマンで、身体的特徴の描き方や、劇中の登場人物たちの雑な扱われ方について議論が起こっている。

今回の演出を見ながら、やはりサーカスにある種の見慣れなさ・奇妙さは欠かせないのではないかと思った。単に面白がるのでは無く、個性の一つとしてリスペクトを表明する姿勢が大切なのだろう。

少なくとも、ミニ・リリーのキャラクターがいることによって、摩訶不思議な異世界であることが強調されていた。

公式サイトキャラクター紹介

魔法を目の前に見たような、脳内麻薬全開の幸せな状態で会場を後にしたのでした。

おまけ

サーカスで思い出すのは、サディスティック・サーカス。今年も行うのね。気にはなるけど、痛いのもグロも無理だ・・・。興奮も幸せも人それぞれだと、しみじみ思う。

ちなみに、サディスティック・サーカスにも登場しているジャグラーまろさんのシルク・ド・ソレイユのオーディション記録が興味深い。熾烈な争いなのだなぁ。

▼ジャグリング「Cirque du Soleiオーディションの内容」

おまけのおまけ


Apple Musicには今回のキュリオスのサウンドトラックも入っている。最後のカーテンコールの曲「You Must Be Joking」がめちゃめちゃ可愛いので、しばらくハードリピートしそうだ。

※本記事の演目中の写真は、すべてシルク・ド・ソレイユプレス用サイトから引用しました。

今年度、新国立劇場バレエ団のオープニング演目(2018/11/2-11)にもなっている不思議の国のアリス。ダークでファンタジーな世界観に夢中!
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2017.10.22