各曲別のおおよその流れと、見所をご紹介していく。
▽実際の観劇の記録はこちらをどうぞ。
怒涛の展開の前半
冒頭から恥ずかしげもなく、スターウォーズの全面パロディで始まる前半。プライスとカニンガムが、出会ってウガンダに布教に行き、トラブルに巻き込まれるまでが描かれている。
♩Hellow
オープニングソング。モルモン教の宣教師たちの布教活動の様子を伝えている。
と手を替え品を替え言っている。前列の真ん中にいるのが、主役のプライス。途中で、もう一人の主人公カニンガムが登場する。
♩Two by Two
2人1組の宣教師としてのペアと地域が発表される。宣教師たちの計算し尽くされたダサさのダンスがみどころ。
次々発表されるペアと布教先。各ペアの行き先と、それに対する台詞は次の通り。
途中で、プライスが自分の行き先を願うソロに入る。
※オーランドはフロリダのバカンス地。ディズニーワールドなどがある
しかし、ペアは落ちこぼれのカニンガム、そして行き先はアフリアのウガンダ。
とおバカすぎて事態の深刻さに気がついていない。
ウガンダ派遣発表後のエルダープライスの表情の死にっぷりに注目!
♩you and me but mostly me
エルダープライスの歌。タイトル通り、君と僕ならなんでも素晴らしいことができるさ、でもmostly(モストリー/ほとんど)僕だけどねー!の歌。
カッコいいメロディラインの曲なのに、曲にそぐわないギャグ路線の歌詞でプライスが歌う。
エルダーカニンガムはおバカなので嫌味にも気づかず、ノリノリで合いの手を入れている。
ちなみに、全体的にすごくWickedをほうふつとさせる歌。
♩Hasa Diga Eebowai(ハッサディーガイボワイ)
ウガンダ現地の人の歌。最初はエルダープライスとエルダーカニンガムも一緒になって歌っているが、ハッサディーガイボワイの意味を尋ねると現地の人から返答がある。
(ハッサディーガは神で、イボワイはクソ喰らえって意味だぜ!)
現地ではエイズが流行しており、治安も悪く、皆神を信じていないのであった。
後半はコーラスがfuck you god~♪と歌い、最後に中指を立ててポーズを決めるという、非常に下品な歌になっている。
♩Turn It Off
ウガンダにいる先輩宣教師たちが、人生の切り替え方について歌う。
Turn offで(テレビや電気を)切るという意味で、悩みや辛いことはライトのスイッチを切るみたいに切り替えちゃえ!と繰り返し歌う。
もちろん、宣教師たちのダンスは今回も絶妙にダサい。
I’LL BE THE ELDER STARRING IN YOUR SPOOKY MORMON HELL DREAM pic.twitter.com/AwyWNvv5tn
— THE BOOK OF MORMON (@BookofMormon) September 6, 2017
各人のエピソードは下記の通り
スイッチを切ろう!そしたら悲しいことも、自分もガンになっちゃうかもという不安もどこか忘れられる!
アッポーストーア、とコーラスの入るミュージカルは、今後もこの作品以外ないと思う。
このゲイのマッキンリーは最後までゲイキャラで登場するので、是非注目して見て見てください。
♩I Am Here For You
落ち込むプライスを子守唄で慰めるカニンガム。今まで1人も実績を出していない布教に対して不安を述べるプライスに対して、今まで実績がないところにたくさんの洗礼者を出す方がより素晴らしいことだとカニンガムは慰める。
ベストフレンドと繰り返すカニンガムに対して、プライスは嫌々ながらも応え、2人の距離が縮まる。
♩All American prophet
後半の大きな伏線になる上に、舞台上の人物が何をしているのか意味がわからないと寂しい曲なので、是非下記サイトの和訳をじっくりご参照いただきたい。
途中エルダーカニングハムの合の手が笑いどころ。
布教してテンションが上がるプライス、歌いまくり盛り上がる伝説の聖人たち、イマイチ盛り上がらない住民、ズレた合の手を入れるカニンガムという、いまだかつてこんなカオスな布教風景があっただろうか(いや、ない)。
https://twitter.com/bookofmormon/status/905542871524057088
なお、カニンガムは途中からなぜか通販モードに突入し、
(それで、お値段は!)
(今ご注文頂くと、ステーキナイフセットもつけちゃいます!)
というどこかで聞いたようなフレーズでモルモン教創立記の歌が締めくくられる(なんでだよ)。全体的にラップ調の各人の歌唱に注目!
♩Sal Tlay Ka Siti
ウガンダの少女ナルバンギが理想郷を夢見る切ない歌。
お母さんの作り話じゃなくて、ウーター(ユタ州の言い間違え)にあったのね。信じられるなら、次のバスで行きましょう、パラダイスへ。
ヤギのエサを賭けてもいい、この完璧な土地ではご飯がたくさんあって、ビタミン注射も時々してる。喧嘩がなくて、皆親切で、交差点という交差点に十字架があって、どこでもご飯が食べられる。
本当に私が馴染めるかしら?でも、出身ですら聞かれない楽園。それがソルトレイカシチィ、あの白人の少年についていくの。
お母さんあなたは正しかった。そこはソルトレイカシチィ。
最初は彼女の言い間違いが面白いけど、途中から拙い想像をかき集めて希望を持とうとしていることがわかり、切ない。でも、ビタミン注射とか歌っているので、笑いは漏れる。
ナルバンギ役のパワフルなボーカルが楽しめる一曲。
なお、曲のあちこちにリトルマーメードのパートオブユアワールドを意識しているとされるフレーズがある。
♩Man Up
意味は、男として毅然としろ!、男をあげろ!
歌詞は以下のような内容です。
イエスキリストは十字架にかけられる時、爪を立てられた時どうした?悲鳴を上げたか??僕たちの罪を償うために、彼は毅然と自分が死ぬ!と言って男を上げたんだ!
キリスト教の根本の思想は、イエスキリストは人類すべての罪を償うために十字架にかけられた、というもの。それをキリストは雄々しく名乗りを上げて、男を上げたんだ、となんか不謹慎なことを言っているので客席が笑いに包まれるシーン。
暗黒面と戦ってあなたはお父さんじゃないという時だ!(スターウォーズのパロディ)
今こそ主役は僕なんだ!
舞台上にまさかのダース・ベイダーが登場し、曲はいよいよ前半最後の盛り上がりへ。
ここから、登場人物全員が持ち歌を歌いながら登場する豪華なシーンになる。前半の曲メドレーであり、各人が各歌のキーワードを繰り返している、ミュージカル的にも非常に凝った演出であり本ミュージカル最大の見所の1つ。
僕はそこらへんにいるやつらと違うとわかってくれてますよね。なぜなら、あなたが僕を送る場所を完全に間違えているのだから。僕が最も行くべきなのはオーランドー!!(♩Two By Two)
このオーランドー♩の箇所で、後ろの宣教師たちがちゃんとオーランドの振りをしているので、密かに注目していただきたい。
みんな出揃って舞台上は大混雑に。
曲の最後は全員の5重奏で締めくくられる。
上記の同時コーラスの中、登場人物の一人ボツワナの美声で締めくくられる。
マゴッツはうじ虫、スクロータムはキンタマ、です汗
まさかの下ネタで前半終了。
※ボツワナ役は下ネタのセリフや歌詞しかないけど、ミュージカル「オペラ座の怪人」の主役ファントム役が務まるほどの歌唱力がある人がつく役だったりする。ある意味、すごく贅沢なキャストの使い方をしていると言える。
もう勢いは止められない後半
♩Making Things Up Again
カニンガムが布教をするが、持ち前の想像力と虚言癖で、おかしな布教をしてしまうシーン。
・エイズが流行っており、間違った知識で犯罪を犯そうとしている人を止める
・女子割礼をやめさせようとするとする
そんなことをしているとモルドール火山の火でブワーッと焼かれてしまうぞ!と脅すシーンだったり(ロードオブザリングのパロディ)と、今回もパロディが満載。
最終的にスタートレックの登場人物たちと、ホビット、ヨーダまで登場する。曲の最後のヨーダのモノマネが絶妙に似ているので、ぜひ注目してほしい。
意味があまりにもアレな感じなので、是非下記和訳サイトをご参照ください。
ちなみにこのシーンや後にも登場するカエルは売店で買える。
♩Spooky Mormon Hell Dream
"I'm sorry, but the old Elder Price can't come to the phone right now…"
"Why?"
"Oh, 'cause he's dead." pic.twitter.com/SR7A7Ze1sq— THE BOOK OF MORMON (@BookofMormon) September 6, 2017
プライスが過去の罪を告白する歌。
罪の意識はずっと持っていて、夜になるとひどい夢を見る。
という訳で、プライスの見る悪夢の内容が繰り広げられる。
悪魔になじられるプライスはついに罪の意識を告白する。
地獄の悪魔たちが次々登場し、キリストにも口汚くののしられるプライス。(キリストのセリフ、「このクソ野郎!」に場内大・爆・笑。)
途中ポップな曲調になる部分は、日本でも有名な有名な賛美歌「主我を愛す」がワンフレーズ流れるところです。
ミッション系スクールに通った高校以来、筆者まさかの形での賛美歌への再開。尊い聖歌を挿入歌にする演出陣のチャレンジ性が溢れた一曲。
ここから歴史上の虐殺者ヒトラー、チンギスハン、コールハンが登場し、最終的にようこそ不気味なモルモンの地獄へ!と歌が締めくくられる。
♩I Believe
プライスが、自分自身の覚悟を歌った曲。
ここで力尽きましたので、下記ブログをぜひご参照ください。
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