どもども、冷え性すぎて毎日ホッカイロを貼っているケイです。
前回まさかの1回でおさまらなかったディア・エヴァン・ハンセンの感想の続きを行きたい。
今回はスタッフ編。
前回はこちら。
現代を反映した脚本・曲
演劇作品としても見応えがある、というのは前回の感想に書いたところだけど脚本と曲の素晴らしさとしては以下3点に集約されると思う。
・キャッチーなフレーズとその伏線
・感情移入できる等身大の登場人物
Steven Levenson著の脚本のアマゾンリンクはこちら。
Dear Evan Hansen (TCG Edition)
Kindle版も発売しているので単語力なしユーザ(筆者です)にも優しめ!
今回は作り手について調べていきたい。
Dear Evan Hansenの作り手たち
演出:Michael Greif(マイケル・グリーフ)
Explore how Michael Greif built a legacy of guiding shows that challenge what musical theatre can be. #DEHTTW https://t.co/niwlQV2OI9 pic.twitter.com/Be5zUkhpCp
— Dear Evan Hansen (@DearEvanHansen) November 2, 2017
時代を反映しセンセーショナルを巻き起こしたRENTに始まり、大竹しのぶ主演で日本でも上演しているNext to Normal、イディーナ・メンゼル主演のIf/Then、2017年主演女優2人ともがトニー賞主演女優賞にノミネートされたWar Paintなどなど有名作品が目白押し!
Rent (1996)
Never Gonna Dance (2003)
Grey Gardens (2006)
Next to Normal (2009)
If/Then (2014)
Dear Evan Hansen (2016)
War Paint (2017)
Play Billサイトより
作詞作曲:Pasek & Paul(パセック・ポール)
We can’t believe it’s been one year since @DearEvanHansen had its first preview on Broadway! Thank you to the DEH family and to everyone who has embraced the show. pic.twitter.com/NVXmbPxpfq
— Pasek and Paul (@pasekandpaul) November 15, 2017
写真は左のモヒカンがジャスティン・ポール、右の哲学的なお顔がベンジー・パセック。真ん中は脚本のスティーブン・レべンソン。
パセック・ポールはベンジー・パセック(Benj Pasek/主に作詞)とJustin Paul(ジャスティン・ポール/主に作曲)の同い年2人組。ラ・ラ・ランドの劇中歌「City Of Stars」で2017年アカデミー賞を、DEHで2017年トニー賞を獲得しノリに乗っている。
この2人の何が素晴らしいかというと・・・めっちゃ仲良し!!! ミシガン大学在学中の18歳の時に組んでから今年32歳になるまで14年ずーっと一緒に組んで仕事をしている。尊すぎか・・・っ!!授賞スピーチも交互に喋るし、写真も原則ツーショットだし(距離近め)、もーずっと眺めていたくなる尊さよ・・・。
カップルかとワクワクしたけど、ジャスティンは結婚して子供もいて、ベンジーはゲイです。ほんとの友情か!!美味しすぎか!!
出典:NY Times What It’s Like to Make It in Showbiz With Your Best Friend
全体的に暗いストーリーなのだけど、ほとんどが長調で明るい曲調のため重すぎない絶妙なバランスが生まれている今作品。サウンドトラックだけでも聞き応えがあるので、ぜひ聞いてみていただきたい。
iMusic(月額980円)にご登録の方はダウンロード可能なのでオススメ。
脚本家:Steven Levenson(スティーブン・レベンソン)
この方だけ・・・あまり情報がない。どうもテレビを中心とした脚本家(出典)で、ミュージカル作品は今回初めてとのことだった。
ミュージカルらしからぬ演劇カラーはこの脚本家さんの力によるものが大きい。
PPL Project(パセック・ポール・レベンソン・プロジェクト)
2011年にパセックとポールがレベンソンにアプローチして結成した、脚本と作詞作曲のタッグ。こちら3人の頭文字を取ってPPL Projectと呼ばれていたそう。作品の上演開始が2015年なので、約5年間もクリエーターたちはプロジェクトを温めていたことになる。
作品のアイデアは2つの体験が元になっている。1つ目は高校時代に同級生がドラッグ中毒死し、高校の中に彼を胸に刻むようなことをしたいという機運が高まったというパセックの体験。もう1つは9.11だ。9.11の喪失感と各々の悲劇として語るソーシャルメディアの反応が構想の根幹にある。
また、作品自体は2015年ワシントン、2016年オフ・ブロードウェイ、オン・ブロードウェイと試演を重ねながら丁寧に作られているのが特徴。なんとブロードウェイスタート時には、同じスタッフ・キャストですでに約2年半を積み重ねているのだ。
そのため脚本も役者に合わせたアテ書きになっている部分も多く、真っ先に印象に残る冒頭のモノローグや、観客を涙の海に叩き込むラストの母ソング「So Big So Small」など、上演中に作り変えられ追加されている項目がたくさんある。
出典:PLAY BILLInside Tony Nominee Steven Levenson’s Dear Evan Hansen Notebook
良い作品は素晴らしいスタッフに宿る
編曲のアレックス・ラカモア(作品:ハミルトン、インザ・ハイツ)や、こんな黄金キャスト・スタッフを青田買いしてかき集めたどう見ても敏腕プロデューサーのステイシー・ミンディッチなど、まだまだ掲載し足りないがこの辺で!とにかく良いプロジェクトには良いスタッフありき!ということがしみじみわかった。
次回脚本・曲編はこちら。
同じ旅のこちらの感想もどうぞ!ディズニーフリークである筆者の作曲家アラン・メンケン様への愛が8割ぐらいの感想記事。
ここ3年ぐらいのミュージカル好きの集大成!現地レポもどうぞ。