若手舞踊公演SUGATA「二人三番叟」通し狂言「雙生隅田川」@KAAT大スタジオ

どもども。iPhoneでコピペした用語が、即座にiPadでペースト出来ることに気がついて目が飛び出そうになったケイです。べ、便利すぎる・・・。

今年のテーマは歌舞伎ということで、自分なりに調べて足を運んでいます。KAATで見た公演に感動したので、残しておきたい。

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三月大歌舞伎夜の部@歌舞伎座

2018.03.24

今回はぴあポイントでの鑑賞だった。今年開始したぴあポイントは、映画ムビチケや美術館、公演のチケットに引き換えることができる。大体7~10公演で1つの景品と交換のペースだ。KAATは家から遠く、ポイントでなかったら行かなかった可能性も大きいので、舞台との出会いって不思議だなと思う。

小劇場の歌舞伎

まずはじめに驚いたのは、舞台までの近さだった。先夏にハイバイの公演を見たときよりも大きく客席をつぶしてあるようだった。センターより前に座ったので、舞台まで約2~3メートル。花道なども設えてあり、まさにミニ歌舞伎座
花道や、前方通路での舞も多くて、まるで舞台上で見ているような近さだった。

オペラグラスではなく、間近で息遣いを感じられる距離だ。見得はどのように切っているのか?、舞のときの手足はどのようになっているのか、呼吸の使い方は?見得のタイミングはどのようにしているのか?ダイナミックで剛健な進退の遣い方・・・そばで見ることができたので、非常に勉強になった。

もっと欲張りなプロモーションでもいいのでは・・・?

ミニシアターでの歌舞伎体験なので、自分自身にはすごく新しい体験だった。
そのため、プロモーションが若手二人にのみ注目させる形なのは疑問に思った。素人すぎるので恐縮だが、小劇場×歌舞伎!?、若手と宗家・家元の真剣勝負!、ワイヤーアクションなどのミニシアターとは思えない豪華さ!、太鼓、長唄、お囃子から衣装までミニミニの歌舞伎はあなたのもの!など色々な切り口がありそうだった。歌舞伎を役者人気だけの興行にしてしまうのは勿体無いと思うのだ。

紙吹雪、色照明、奇声を上げる鬼女、スモーク、ワイヤーアクション、人形などなど、これでもかと演出が詰め込まれており、子供も楽しそうに見ていた。

女性がたくさん

演奏者も若手の方が多く、わくわくした。また、女性の義太夫も初めてだった。作品の見せ場のひとつが、母が子を取り戻すシーンなので浄瑠璃の竹本京之助の凜とした声はすごくしっくり来た。下記は別公演の写真だが、左側の方でした。

また天狗を演じていたのは、日本舞踊家の花柳凛だ。すごく美しい方で、鬼となり天狗になるのも納得した。歌舞伎の女形もすばらしいが、女性の華奢な骨格の日舞も素敵なのだなと思う。

フレッツな若手と磐石の大人たち

子役も多く登場し、主役を勤める中村鷹之資、中村玉太郎という成長途中の役者にスポットが当たっていた。一方で主要キャストの中には、宗家藤間勘十郎、家元尾上菊之丞など完成された役者も出ていた。
見ごたえのあるシーンと、若手が全力で演じる元気いっぱいのシーンが組み合わさることで、単に「若手を見守る」という形ではなく、お金をとる公演として成立していたと思う。
筆者は初心者なので、年齢の違う役者の芸を見比べることで、どういう風に芸を深めていくことができるのかを間近で見た貴重な公演になった。

一番心に残ったシーン

特に作・演出・振付の宗家藤間勘十郎と、中村種之助の2人が演じる河原のシーンには胸を掴まれた。子を失った母親が、川の渡し守との会話をするシーンだ。殺風景な舞台なのに、夕暮れのもやが漂う賽の河原みたいに見えたのだ。2人の美しい舞により幽玄の世界が広がっていたと思う。極楽と別離が透けて見えるような、不思議な体験だった。

そのあと、神隠しにあった子が戻ってきて天狗の風に乗って母と子が家へと飛んで行くシーンでは、不覚にも涙がボロボロと出てしまった。母と子が楽しく雲の幕の前を、舞い飛んでいくシーンだ。思い切った演出で笑ってしまったのと、その前のシーンの深い悲しみから一転、喜びが溢れていたからだ。そうだよね、大事な人を死の淵から取り戻せたら舞い上がっちゃうよね。

歌舞伎座だけに通うのではなく、自主公演や小さな公演を見に行くのも面白そうだなぁということがわかったのが大きな収穫だった。

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三月大歌舞伎夜の部@歌舞伎座

2018.03.24