三月歌舞伎@国立劇場

どもども。劇場からのロマンを摂取しすぎて、最近ヘロヘロしているケイです。麻薬成分がクセになって、現実に帰還できない。

今年のテーマは歌舞伎ということで、歌舞伎を観に行くようにしている。
3月も歌舞伎を観に行ってきた。


今回は歌舞伎座ではなく、国立劇場へ足を伸ばした。国立劇場は皇居のほとり半蔵門にある、国立の伝統文化の劇場だ。うららかな春の日差しがとても美しかった。花粉症でなかったら、のんびり散歩をしてだろうに(反語。


歌舞伎座だけでなくて違うところも行ってみないとな・・・と義務感に駆られての観劇だったが、普通にクリーンヒットして泣いたので感想を残しておきたい。

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二月大歌舞伎昼の部@歌舞伎座

2018.03.05

増補忠臣蔵

最近理解してきた歌舞伎の面白さ、その1。義理と人情が相克する設定を作って、見せ場だけを味わう。基本的に長い長い演目のハイライトだけを上演するのだ。そんなワガママスタイルが通っていいのだろうか?(いいんです。
コース料理ではなくて、全部メインディッシュ。カツ丼とステーキと、あと天ぷら蕎麦追加で!みたいな。いいのか?(いいんです。

忠臣蔵のスピンオフ作品


美味しいとこどりのてんこ盛りのような作品が、この増補忠臣蔵だった。
前回の井伊直弼といい、筆者ちょっと明治期の作品が好きかもしれない。江戸謎センスよりも感覚が近いからだろうな。父ゆずりのホクロが取れて号泣事件を観た件はこちら

本作は「仮名手本忠臣蔵」のスピンオフ作品。武家の桃井若狭之助と妹の三千歳姫、長年仕えた家老の加古川本蔵の別れのシーンを描いている。
忠臣蔵の九段目「山科閑居」で主人公大星由良之助の前に登場する本蔵。その本蔵が今回の作品の中心人物だ。彼がどうして虚無僧姿に身をやつしていたのか?仇である高師直の屋敷の見取り図はどうして持っていたのか? などなど、裏設定が語られている。筆者の感想は・・・

ん?!Wickedかな??(^0^)

オズの魔法使いに登場する西の悪い魔女。実は悪い魔女は、自由のために立ち上がった魔法の天才だった───2003年ブロードウェイ初演以降全世界で公演されているミュージカルだ。
スピンオフはアツい。有名な作品の裏話は胸アツにならざるを得ない。重要じゃないと思っていた登場人物が、実は志を抱いてあえて悪役を演じていたとしたら───ご馳走さまです(^0^) いつの世もスピンオフは胸熱なんですな。そして歌舞伎では、増補物(ぞうほものと)と言うのだという発見だった。

「菅原伝授手習鑑」にも「松王下屋敷」なる増補物があるそうなので、機会があったら観てみたいと思う。

別れのシーンには涙がにじむ

家老の本蔵について色々設定が展開される。仇討ちを抱きとめて家に汚名を着せたり、悪い奴に賄賂を贈って家が危機になるのを防いだり・・・とにかく忠義の人物として描かれるのだ。そしてチンピラの裁判が出て、その後今生の別れとなり・・・設定をぎゅーぎゅーに詰めているので、設定スキーには楽しい。
筆者は映画や漫画などの設定をwikiで読み妄想の材料を収集するのが趣味なので、イヤホンガイドの解説を聞きながらとてもワクワクした。イヤホンガイド先生さまさまである。

物語の最後は、この忠義の家老の本蔵おじいちゃんを主人の若狭之助と三千歳姫が見送る。25年仕えてくれた本蔵を涙ながらに見送る兄妹。別れを惜しんで呼び止め、言葉を送るために呼び止め、そして呼び止め、最後に花道から呼び戻し、呼び止めすぎかよ(^0^)

梅雨小袖昔八丈

尾上菊之助扮する悪役の髪結新三を主役とした、長い話だった。

江戸歌舞伎における生世話(きぜわ)の芸を確立させた明治の名優・五代目尾上菊五郎のために河竹黙阿弥が書き下ろした『梅雨小袖昔八丈』。江戸町奉行・大岡忠相(おおおかただすけ)が裁判した事件を題材にした人情噺『白子屋政談(しろこやせいだん)』の脚色で、髪結新三を主人公に据え、材木問屋の娘・お熊(くま)と恋仲の手代・忠七(ちゅうしち)を利用して一儲けしようと画策する様子を描いています。(以上国立劇場あらすじより)

筆者が新春歌舞伎以降心を奪われている中村梅丸演じる美少女のセリフがたくさんあったので、それだけで大変満足。オペラグラスでガン見。
尾上菊之助が悪辣なゴロツキである主人公を演じていたが、漏れ出てしまう貴公子の高級オーラよ・・・。

前半の増補忠臣蔵で印象的な本蔵を演じていた市川亀蔵が、今回のキーパーソン長兵衛を演じている。悪人を上回る守銭奴で食えない長屋の家主を演じており、一挙一投足に笑いがクスクス漏れた。剛の忠義者から、長屋のご隠居まで物語に彩りを添える味のある役者さんだなぁ。

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三月大歌舞伎夜の部@歌舞伎座

2018.03.24