どもどもケイです。ロンドン旅行記は、舞台各作品の感想を更新中です。12/29にマチルダを見て、大晦日はリニューアルオープンしたばかりのレミゼで2019年を締めくくったのだった。
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【ロンドン6】ミュージカル「Matilda」
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【ロンドン7】ホテルhub by Premier Inn London Covent Garden感想
新演出ほやほや!
7月から改装に入っていたクイーンズ劇場が、2019年12月18日からソンドハイム劇場としてリニューアルオープン。
期せずして、新装オープンの気合の入ったプロダクションを見ることが出来たのだった。
キャストが良すぎた
オペラと一緒で、レミゼは作品自体もだけど、出演者の技巧を楽しむ感じだなぁと思う。
Jean Valjean: Jon Robyns
Javert : Bradley Jaden
Fantine: Carrie Hope Fletcher
Thenardier: Matt Lucas
Madame Thenardier: Jpsefina Gabrielle
Enjolras: Ashley Gilmour
Eponine: Shan Ako
ジャン・バルジャンのジョン・ロビンスの歌声だけでお釣りが来るような夜だった。ハミルトンのキングジョージ役や、レミゼはマリウスやアンジョルラスも経験しているのね・・・。燭台を盗んでから、レミゼのロゴがババーンと出てくるまでの、バルジャンのハイトーンのところで歓声!
そこからもジャン・バールジャーン!だったりとか、決めて欲しいところでこれでもかとクル感じが、最の高だった。
ジャベール役はブラッドレイ・ジョーデン。マリウスが少年感のあるマリウスだったので、出演者で1番イケ面であり、スターズのお悩み方がお耽美でしたな。
エポニーヌ&マリウスはウェストエンドのデビュー組。若手にチャンスを与えて、次代のスターを育成していくプロダクションなのだなと思った。
熟練のテナルディエ
25周年記念コンサートでテナルディエ役立ったコメディアンのマット・ルーカスがテナルディエ役だった。直前アナウンスで歓声が上がっていた。
途中のシーンは、完全に俺のターンというか、酒場のシーンや最後の結婚式のシーンは吉本新喜劇が始まったような他の演目を見ているようなベテランの風格があった。
観客もバルジャンとは別の意味で、彼から目を離せなくなる感じだった。
美声ファンティーヌ
コゼット、エポニーヌとしても出演経験のあるキャリー・ホープ・フレッチャーがファンティーヌ役だった。
ファンティーヌの病院のシーンはどうしても泣いてしまうのだけど、美しい歌声に幸せを感じた。
『ヴォイス・オブ・ウエストエンド2020』 追加キャストに『レ・ミゼラブル・オールスター・コンサート』ファンティーヌ役のキャリー・ホープ・フレッチャーが決定 #ヴォイス・オブ・ウエストエンド2020 https://t.co/VUonAXOvtl pic.twitter.com/CuUQWRZbZr
— SPICE[舞台情報メディア]/e+ (@spice_stage) January 8, 2020
そして日本に帰って早々、なんとヴォイス・オブ・ウェストエンドのコンサートにキャリー・ホープ・フレッチャーが招聘されることを知った(右下のメガネの方)。
ロンドン明けで節約期間だと思っていたけど、思わずチケットを買ってしまったのだった、、、。
アンサンブルの圧が強い
ブロードウェイもそうだけど、アンサンブルに至るまで歌唱力もダンス力もあり、そして圧倒的な「自分を見てくれ!!!!!!」の主張。
ちょっとしたソロパートもグイグイ来るところ(最初の船漕ぐシーンから、どのソロも主役ばりの前の出方)いいなぁと思ったのだった。
新演出は見たことある感じ
盆が無く、下水道はプロジェクションマッピングの演出だったので、日本でも見たことがある感じだった。ジャベールが自殺するシーンでフライングがあるのは、なんというか・・・どうしても笑ってしまうのだが、私だけなのか・・・。
カメラワークが90度変わることは理解するのだけど・・・。
深いミュージカルだなぁ
とはいえ、何度見ても発見がある舞台だと思った。行動を積み重ねれば、瞬間風速ではなしえない自分になれるんだよな、とバルジャンを見て思った2019年末。
苦しい人生でも最後は許されて安らかに眠れるバルジャンに感情移入することが多いのだが、今回ばかりはコゼットにもろ移入して滝の涙。
ロンドン旅行直前に亡くなった父のことに重ねて見てしまい、ラストは我慢したけどどうしても嗚咽が止まらなかった。It’s too soon to say goodbye がこんなに突き刺さるレミゼもそう無いだろうなと思った。
そしてカウントダウンを終えて、ホテルに帰ってからもしばらくグズグズとしていたのだった。
胸を抉ったのは、コゼットの頼みに応じて、バルジャンがあなたが言うならもうちょっと生きてみようと言う言葉。
病室でどうしても泣いてしまった私に、意識も朦朧としながら、もう治ったよと声をかけてくれた父を思い出したのだった。呂律も回っていないから言葉にもなっていないのだけど、家族だと彼の言葉はどうしてか聞き取れるのだ。
子供のときに、よく大人たちが「近頃涙もろくて~」と言っていて年取るとそうなのかと思っていたけど。どんな人も様々な経験が涙もろくさせるのだなと気づきを得た年末だった。