どもどもケイです。今年も残すところあと2か月を切って驚きですね。1年越しに楽しみにしてきた不思議の国のアリスを見てきたので、感想を残しておきたい。幸せな舞台だった。
劇場内はアリス一色。トランプやダンサーのパネルがあちこちにあり、来場者が写真を撮影していた。
不思議の国のアリス
「不思議の国のアリス」は2011年にロイヤルバレエ団初演。クリストファー・ウィールドン振付、ジョビー・タルボット作曲、ボブ・クロウリー装置衣装というゴールデントリオにより新制作された。今回はそのプロダクションを、そっくりそのまま輸入していた。ポスターデザインは大きく変更になっていた。
ウィールドンの振付といえば、劇団四季でも2019年1月開幕予定の「パリのアメリカ人」。2015年に振付賞などトニー賞を4部門受賞している作品だ。
衣装・演出のボブ・クロウリーもブロードウェイや四季の「アラジン」などの装置・衣装を担当している、ミュージカル、オペラ、バレエ、演劇界の大御所だ。ちなみにアリスの衣装がスミレ色なのはボブ・クロウリーの趣味です。
インタービューで僕はヒロインにはスミレ色を着せると言い切っていた。確かに同じスタッフで制作したロイヤルバレエ「冬物語」でもヒロインはスミレ色のドレスを着ていた。
アリスの衣装、素敵だよね。カチューシャ姿ではしゃぐ小野絢子さんが可愛すぎて、筆者は爆発しそうだった。
世界的なヒット作品
The genius of Bob Crowley. Alice’s Adventures Courtroom. Act 3. #alicesadventuresinwonderland #alicesadventuresintokyo #nationalballetofjapan #tokyo #roh #ballet #newnationaltheatretokyo pic.twitter.com/9YJC8DzGAs
— chris wheeldon (@chriswheeldon2) October 29, 2018
本国のロイヤルバレエ団としても20年ぶりの全幕新楽曲・新制作にして世界的な大ヒット。筆者は2017年の再演の映像を映画館で見て、大興奮したのだった。
スタッフの経歴を改めて見てもお歴々の方々が名を連ねており、そんな作品を日本で見られるなんて!!涙 新国立劇場さん!ありがとう!!(お礼が雑。
▽ロイヤル版の詳細についての記事はこちら
ファンタジー爆発!
筆者はお姫様とファンタジーが主成分で生きているので、見終わって感想書いている今も夢見心地が続いている。
思い出すだけでも、以下のシーンが次々に進んでいく。コールドのダンサーたちもミュージカルのように次々と着替えて登場してくる。
・最初のお茶のシーン
・EatMe&DrinkMe
・涙の海
・ヨーイドンの運動会
・マッドハッターのティーパーティー
・Home Sweet Home
・女男爵の血塗れ豚
・ジャックとの再会と目隠し
・チェシャ猫
・ヒップホップ芋虫
・女王の庭のバラペンキ塗り
・フラミンゴのクロケット
・女王のタルトアダージョ
・花のワルツ
・ジャックとアリスのパ・ド・ドゥ
・大混乱のラスト
・最終幕
もうね、衣装がね可愛いんすよ。トランプとか、花のワルツのシーンとか。装置と衣装だけでご飯5杯はいける(いけない。
芋虫の踊りのクリスタル付きのトゥシューズなど、細部に凝り尽くした衣装はカタログが欲しいと思ってまうで。
打楽器祭り!
今回は3割くらいジョビー・タルボットの打楽器まくりな楽曲を聴きに行ったのだった。オーケストラピットを埋め尽くす打楽器!
なぜかドラが3つもあるし、鉄筋木琴、トライアングル、ムチ、ギロ、ドラム、大太鼓、小太鼓、よくわからない金属の板みたいなのーーパーカッションの宝石箱や〜!
打楽器!打楽器!打楽器!!!
オーケストラピットがパーカッションまみれだyo!!#バレエ #新国立劇場 #不思議の国のアリス pic.twitter.com/e6dUaiDRGb
— ケイ (@key_s410) November 3, 2018
木琴の超絶技巧など途中で何度もピットをオペラグラスでのぞく筆者。
舞台自体が目にうるさいので、映画館で見ていた時よりもチャカポコ感は薄らいで聞こえた。指揮が抑え目なのもあるかもしれないし、サントラ聴きすぎて全部鼻歌で歌える曲だったせいもあるかもしれないが、意外だった。
開場時から練習している人も多くて、東京フィルの人たちも相当に大変だったと思う。
ピュアで素朴なアリス
ロイヤルのverと比べて、素直な感じのする舞台だと感じた。ロイヤルのカスバートソンのアリスは小憎たらしくて生意気な感じのアリスだった。
比較して小野絢子アリスはピュアピュアで、おとぎの国を純粋に楽しんでいる感じだ。エッ飛び跳ねている後ろ姿、愛らしすぎ〜〜〜(鼻血。
ハートの女王の本島さんも、コミカルさの中に漏れでしまう気品を感じた。人気シーンであるタルト・アダージョのシーンも、大げさに求婚者(強制)たちが演技していたし、とにかくストレートな印象だ。ロイヤル版はアクが強かった。
目が足りない
映画館の映像で見ていた時に比べて、舞台全体を見渡せて3割増しで楽しかった。群舞のフォーメーションも変則的だったり、登場人物たちが途切れなくマイムをしていたり、と目を配るところが沢山あったからだ。
日本でアリスが見られるなんて(2回目)
主演2人が、難易度の高いリフトも含めて踊りを自分のものにしていて感動した。特にアリスは、ほぼ出ずっぱり。花のワルツで中心で踊っていたすぐ後に、ジャックとのパ・ド・ドゥ。余裕そうに見えるけど、このシーンは鬼だってライブビューイングの時の幕間のインタビュアーが言っていた。
生で目の前で進行していくのは、本当に胸を打つよね。
おまけ:ハートの女王のタルト・アダージョ
ハートの女王のコミカルな踊りは古典バレエの「眠れる森の美女」の「ローズ・アダージョ」のパロディだ。本家の眠れる森の美女では、4人の求婚者に支えられて、オーロラ姫が長時間のアチュード・バランスを披露する1幕の見所になっている。
ハートの女王は、求婚者もおらずちゃんと支えてもらえなくて・・・うん。
本家の振り付けをかなりパロっているので、見比べるとさらに楽しいアリスの振付なのだった。
▽ロイヤルバレエのライブビューイング予習記事はこちら
▽ライブビューイングの感想はこちら