ロイヤルバレエ「ロミオとジュリエット」@Tohoシネマズ日比谷

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どもどもケイです。サラリーマンをしすぎて心が死んでいたが、夏休みを経て舞台を見たい気持ちにやっとなることが出来たので、早速見てきた。まずは、ロマンティック120%なロイヤルバレエをば。

ロミオとジュリエット

マクミラン振付のロミオとジュリエット。3幕で2時間半弱の大作だった。音楽はややモッタリめ。たっぷり叙情的な超大作に仕上げていた。
幕間のインタビューも30分以上あり楽しい。

ロミジュリはさすがに何パターンか見ているしなぁ・・・と思ったけど、この動画を見て行かねば!と思ったのだった。ノーブルで聡明なヤスミン・ナグディと、ナイーブな世界観に満ちているマシュー・カオガイイ・ボールに夢中になってしまった。

マシュー・ボール良すぎ問題

ロイヤル・バレエ・スクール生え抜きのマシュー・ボールはまだ20代半ばのフレッシュさだ。2013年入団、2015年ファースト・アーティスト、2016年ソリスト、2017年ファーストソリスト、2018年プリンシパルって凄まじい経歴だな。全経歴はこちら

ワディム・ムンタギロフを初めて見た時にも思ったけど、正統派王子様ってこの世に存在するんだなってしみじみした。

技術もだけど、一つ一つの表情、表現から目が離せない。

ああ、すごいなと思ったのは第1幕。男子3人でキャッキャして、パーティー会場に入る前に振り返ったコンマ数秒。振り返ったその一呼吸の間に魅了されてしまった

これから起こることへの胸の高鳴り、そして悲劇の予兆、そういったものを感じさせる広がりのある暗転。そこから彼の表現から目が離せなくなった。

知的なジュリエット

ヤスミン・ナグディの主演は初めて見たのだけど、これまたずっと見ていたくなるダンサーだった。

ノーブルで可憐で、噂通りロイヤルのイメージそのもの。柔らかいのに、どこか芯のある美しいアームス、華奢な体躯、そして何よりインタビューの時の知性を感じさせる瞳・・・ほ、惚れてまうやろー!!

後半のジュリエットが成長していくシーンでは彼女の聡明さと相まって、大人の女性が苦しむような不思議な感覚を覚えた。

ロミオを求めて力尽きるラストは恋物語と言うよりも、戦ってでも夢を掴み損ねたそうな、そんな人生のほろ苦さを感じさせたのだ。

バルコニーシーンの冒頭に涙

バルコニーシーンはYouTubeで見たしなぁと思っていたが、筆者が心を鷲掴みにされたのは、動画ではカットされている冒頭だった。

ブォッブォッというアレな音ともにロミオが登場した後、2人の鼓動のようなホルンが聞こえてから主旋律の4小節、2人がじっと見つめあったまま、微動だにしないのだ。

しびれた。

視線が合って、2人の時が止まったのだと思った。

そして、ジュリエットがバルコニーから降りて来て、ドキドキして並んで歩き出すのだ。切なささえ感じるような、ロミオとジュリエットの逢瀬。

ロマンスの結晶がきらめく演出に涙が出て、胸がいっぱいになった。
このシーンそもそも音楽も好きでよく家で聞いているのだけど、やっぱり作品は萌え禿げそうだった。

こんな美しい瞬間に出会えるならきっと生きていける(ロマンティック成分を摂取して、全力で現実逃避中。

夢見心地のジュリエット

踊り始めたバルコニーのシーンは、ジュリエットのリフトの着地が柔らかくて、飛んでいるかのようだった。
ふわふわのカップルを見て、こちらまでキュンキュンしてきてしまう。

途中のインタビューにテクニックを極めると自由な表現ができるとあった。想いを通わせているように見えるのも、振付を極めた研鑽と計算の賜物なのだよなぁ。

全編を通じて、2人の視線を大事にしていることが伝わってくる。

1箇所気になったのは、よく写真にもなっている海老反り正座リフト。ロミオに服がかぶさってしまっていて、暗闇・・・?

2幕3幕もあっという間

婚約者と踊るちぐはぐさと、ロミオとの息のぴったり感の対比が楽しい。ロミジュリは何回見ても婚約者が不憫だなと思う。

また2幕の朝チュン後のパ・ド・ドゥは、2人とも大人になっていて本領発揮という感じ。演劇だと朝を告げるヒバリの声をナイチンゲールと言って惜しむシーンだよねとほっこりした。

あと、ティボルトの呑んだくれ具合がお見事と思っていたけど、キャラクターアーティストの人なんだな。
このシーン、なんでロミオが激昂しちゃうのか動機が行方不明になりがちだと思うんだけど、今回は分かりやすい残念ティボルトだった。

やっぱりロイヤル・バレエのライブビューイングは高まる問題

映画キャッツ予告のトゥルッヌメッとした白ネコ姿でツイッター界にセンセーショナルを巻き起こしたのが記憶に新しいフランチェスカ・ヘイワード様が筆者の推しだ。

そうはいっても高田さんとか崔由姫ちゃんも見たいし、ヌニェスとかオシポワとかベテラン勢も・・・結局箱推しになってしまうロイヤル恐ろしさ。

ポツポツとライブビューイングに行くうちにいつの間にか沼のフチに足をつけているやつですよね、わかります(結局雪組の壬生義士伝ライブビュのチケットを取ってしまった人のつぶやき。

いたずら男子3人にほっこりしたとか、マキューシオ可愛いよとか、まだまだ言い足りないのだがこの辺で!

▶︎前回のロイヤル・バレエの感想は「うたかたの恋」
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