どもどもケイです。前回ブロードウェイのおすすめ作品について書いている時に、最近の情報アップデートできていないなぁと思ったので、自分でも興行成績を詳しく見てみた。
- Total Gross別のランキング
- AVG PAID別のランキング
- ハミルトンの収入規模
- 賞レースの有力候補「TO KILL A MOCKINGBIRD」
- 「NETWORK」
Broadway Gross
ブロードウェイのチケット販売額や空席率などはすべて見える化されている。PlAYBILLやbroadwayWORLDのグロスが見やすい。データの提供元はブロードウェイの業界団体であるBroadway Leagueだ。
今回はBroadwayWORLDの週次データを元に見ていこうと思う。
Total Gross
現在オンブロードウェイ作品は31作品、興行収入順に15位までだと以下の通りだ。3/16のレートが1ドル111.4円なので、ハミルトンは1週間で3億5千万円のチケット収入があることになる。
1:HAMILTON $3,188,375
2:HARRY POTTER AND THE CURSED CHILD, PARTS ONE AND TWO $1,974,219
3:THE LION KING $1,743,800
4:TO KILL A MOCKINGBIRD $1,617,090
5:WICKED $1,555,919
6:FROZEN $1,360,356
7:DEAR EVAN HANSEN $1,278,661
8:ALADDIN $1,238,638
9:MEAN GIRLS $1,133,871
10:NETWORK $1,060,416
11:THE BOOK OF MORMON $1,019,388
12:COME FROM AWAY $897,757
13:THE CHER SHOW $881,234
14:AIN’T TOO PROUD $872,597
15:THE PHANTOM OF THE OPERA $837,647
ハミルトンがぶっちぎりで1位なのは理解できるのだが、ハリー・ポッターが2位と上位に食い込んでいた。1622席とオペラ座の怪人やライオンキング並みの広い会場を使っていることもあり、平均チケ代152ドルの強気の価格設定がきいている模様だ。
併せて、ライオンキングや、ウィキッド、アラジン、ブック・オブ・モルモン、オペラ座の怪人などのロングラン系はやはり稼いでるなぁという印象だ。
17/18シーズンの作品でいうと、6位のフローズンことアナ雪に加えて、2018年4月スタートのミーン・ガールズが9位で人気を保っているようだった。
ピンクのハイライトを引いているのが18/19シーズンの新作だ。初演日については、4位モッキングバードことアラバマ物語が12月13日、10位ネットワークが12月6日、13位シェールショーが2018年12月3日、14位のエイント・トゥー・プラウドは2019年3月21日のオープニングに向けてプレビュー中の公演だ。
新作の関連動画は、この記事の下の方にまとめました。
AVG PAID
売上だと会場の広さがもろに影響に出てしまうので、他の指標でも見てみる。平均チケット代の上位半分については以下の通り。
1:HAMILTON $296.48($849)
2:DEAR EVAN HANSEN $160.19($348)
3:HARRY POTTER AND THE CURSED CHILD, PARTS ONE AND TWO $152.14($297)
4:NETWORK $148.41($473)
5:TO KILL A MOCKINGBIRD $138.78($497)
6:THE LION KING $130.49($225)
7:MEAN GIRLS $120.50($300)
8:THE BOOK OF MORMON $117.92($478)
9:FROZEN $110.41($353)
10:PRETTY WOMAN: THE MUSICAL $106.62($275)
11:WICKED $106.60($240)
12:COME FROM AWAY $105.47($297)
13:MY FAIR LADY $103.55($323)
14:THE CHER SHOW $98.32($247)
15:TRUE WEST $96.47($350)
※()内は1番高いチケ代
筆者大好きディア・エヴァン・ハンセンが第2位にランクイン!
また、青いハイライトをしたのが、平均チケット代に加えて、()内の最高チケット代も上位6作品だ。最高チケット額も高くて、チケット平均も高いとまさに時価が高い人気ミュージカルということになるだろう。
先ほど触れなかった18/19シーズンの新作でいうと、19年1月に初演を迎えたTrue Westがランクインしている。ゲーム・オブ・スローンズのジョン・スノウ役の人気俳優キット・ハリントン出演の舞台だ。
公式アナウンスでは2019年2月23日までの短い舞台だ。
年間収入額の大きさ
ハミルトンの昨年の総売り上げが162,724,708ドル、日本円で約181億円だ。2018年の日本映画の興行収入1位のコード・ブルーと2位の名探偵コナンを足すと184億の興行収入になるので、1劇場で同等のチケ代を稼いでいるハミルトンなのだった。
新作関連動画
2018/19シーズンの気になる作品についてまとめた。
TO KILL A MOCKINGBIRD
1960年出版のハーパー・リーのベストセラー小説を初のミュージカル化。人種差別を描いた骨太のストーリー、人気等どれを取っても賞レースの超有力候補なのは間違いなしの作品となっているようだ。
2012-14年HBOドラマ「ニュースルーム」の脚本アーロン・ソーキンと主演ジェフダニエルズの人気ペアによる作品であることをtwitterにて教えてもらった。
ツイッターで教えていただいた下記記事を紹介したい。新作「ヒラリー・アンド・クリントン」上演に際して、ブロードウェイと政治について考察されている。
▶︎How Politics Seized the Broadway Spotlight
黒人と女性の多様性を提起した「ハミルトン」、昨年リバイバル演劇賞を受賞した「エンジェル・イン・アメリカ」、メディア展開され社会現象にもなった「アメリカン・サン」、現在人気急上昇中の「モッキングバード」、1970年代のメディアを風刺した新作ミュージカル「ネットワーク」など多くの政治的な作品が上演されている。
より良い社会とは何か?それを描く1側面として政治的になるということが説明されていた。5分の1のプロダクションしか回収できない厳しい中で、政治的な作品というのはチャレンジングだが、劇場という理解しやすい中でより良い議論のためにも作品づくりには意義があることだとまとめられている。
上記長い英文なので、要約できているか怪しいが・・・。2017年1月にトランプ政権になってから2年。トランプ政権への反論としての作品が強く支持を得ている。
今年のトニー賞授賞式(現地6/9、日本時間6/10月の朝)を十二分に楽しむためにも、取り急ぎ筆者も原作小説を購入したのだった。
NETWORK
1976年アカデミー賞受賞の同名映画の舞台化作品だ。原作のあらすじを読んでいると、視聴率に踊らされていくテレビ局のドロドロが描かれている模様だ。
ニューヨークタイムズの記事に詳細情報ありそうなのだが、時間切れになってしまったので今日はこのへんで!
もはやソーシャルメディアのいいね!数すら見える化されているのだなブロードウェイ。
PCからだとインスタやフェイスブックの話題に上った数まで数値が出ている。
ロングランの大型公演と、元々の知名度が強い印象。#ブロードウェイhttps://t.co/sD40MBsSaM pic.twitter.com/qJ1GXhfk4c
— ケイ (@key_s410) March 16, 2019
興行収入だけでなく、SNSも見える化されているブロードウェイ。
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