作品賞などトニー賞4冠のリン・マニュアル・ミランダ原作・作詞作曲のミュージカル。後年の大ヒット、ハミルトンに通じるようなかっこいい楽曲と、ラップ・ヒップホップ、移民をテーマにした作品だ。
メリリーと並んで、2021年に劇場へ観に行って良かったミュージカル。楽曲やストーリー含めて、予想外に好きになった作品だったので、映画化は嬉しかった。
コロナを避けて劇場で見られなかったので、アマプラ視聴。
映画化に成功しているミュージカル
Dear Evan Hansenにもやっと来たところがあったので、このイン・ザ・ハイツの映画化の成功は何事!!いいなぁ!!と思いながら観ていた。
監督はジョン・M・チュウ。Wickedの映画化監督にアサインされているということだったが納得に仕上がり。(ベンプラパパ、DEHにもこの監督アサインしてくれよ・・・)
移民の実情を掘り下げ
映画化成功の鍵となったのが、各キャラのストーリーの掘り下げだろう。歌で全体を盛り上げてまとめるミュージカルと異なり、個々人にクローズアップしてしまう映像化を逆手に取り、より骨太の社会派作品に仕上げたという感じだった。
ニーナやヴァネッサなどが直面する現実はミュージカルよりもより移民への差別を目立たせたものになっていた。
また、ベニーも恋に浮かれる軽薄ではなく、仕事を精一杯するキャラへ変更。ウスナビの宝くじの使い道も、お店の再建から違法移民である店スタッフの少年のビザ取得へと変更となっている。
ということで、後半になるに従い骨格残しつつ、ほぼオリジナルドラマに。ラストは劇場でもそれでええんか・・・?みたいな部分はあったので映画の結末の方が納得感はあった。
しかし、映画版の結末もそこに集約するんだ・・・みたいな複雑さがあった。ミュージカルにある南国の軽薄さみたいなものが薄れているのと、結婚エンドはあまり好きではない展開なので・・・。
モテそうなウスナビ
主役のウスナビ役のアンソニー・モラスは、ハミルトンでローレンスと子ハミルトン役だった人。
冴えない内気で優しいウスナビのはずなんだけども、隠しきれないイケメン感とオーラよ。映画としては見てて楽しいけど、カッコ良すぎな気がした…
ホリプロの時のDef Tec のMicroさんはそこらへんのウスナビ感のリアリティーがあって、ほっこりドラマに仕上がってたんだよな。あと、日本語ラップがぱちっとハマっていて、聞いていてとてもリズム感が最高に気持ちよくて、プロのラッパーってすげぇと思った思い出。