ブロードウェイミュージカル「Hamilton」「Newsies」感想

hamilton

どもどもケイです。最近コールスロー作りにハマっているのだが、スライサーを買ったので爆速でキャベツの千切りができるようになった。

ミュージカルの感想を2本残しておきたい。

ハミルトン

ディズニーの有料チャンネル「ディズニープラス」が2020年6月〜に配信開始した(英語圏は昨年秋に開始)。日本だとdocomoが独占配信している。

私自身は仕事で日々ひき肉になるような気持ちの毎日が続き、8月に入ってからの視聴になった。心に余裕がないとパワーある作品とは向き合えないと常々思う。

7月はハミルトンの配信開始とのことで、ツイッターはお祭り状態に。2016年トニー賞13部門16ノミネートの史上最多ノミネート、 11部門で受賞という恐ろしさ、、、

この年はNHKによるトニー賞中継がなく(2016年ぐらいまではこの録画を1年通して繰り返して見ることが私のブロードウェイを追う活動の全てだった)、有給を取ってWOWOWでトニー賞授賞式をリアタイするという素晴らしい活動も知らなかったので、知識として知っていただけだったのだが、、、

納得!総なめに納得!!

だった。キャストも演出も、脚本も、音楽も、衣装も、照明も、編曲も(アレックス・ラカモア!)、そして移民であるリン自身が移民から成り上がったハミルトンを演じる、というコンセプトも、全部そりゃあ!!という。

ディズニープラスをとりあえず周囲に布教しているのだが、この恩は金で返すと言う気持ちである。早く日本語字幕をつけて欲しい。

オタクが好きなやつ満載

個人的に本当にたまらんなぁと思ったのが、端々の演出。まず最初に、わざわざ白い衣装を纏ったキャストがメタで歌を歌って、「彼のために戦った」「彼のために死んだ」「彼を愛した」のシーン。

このバーが思い詰めた表情で、「And me, I’m the damn fool that shot him」って言うシーンでもう、鳥肌がブワワーっと。

歴史物ってどうしてもオチがわかっていて話のスリルが無くなるので、メタ的に入りと最後を結んで解釈を観客に伝える演出なのには納得なのだけど、このオープニングと、最後死の瞬間にハミルトンからリズムとメロディが無くなって走馬灯が走り抜け、フィリッパ・スーが息を呑んで再度観客と一緒に新しいハミルトンが生まれた瞬間に立ち会う(と私は解釈した)ところまで、なんかこう、、、もうちょっと興奮してエロいみたいな状態になる。

上記はラストの解釈についてのフィリッパ・スーへのインタビュー動画。その時々によっていろいろな感情があるとしながらも、戦争が開始したから、このあと観客が現代に戻るから、作品と会場全てのもへの感動などという解釈が登場していた(・・・と思う)。

スカイラー姉が直前のシーンを巻き戻して裏側を歌ったり、銃弾が人によって運ばれる伏線があったり、バーの歌がめちゃ派手だったり、ラップにはヒップホップのダンスだったり、こうストーリーや演出の楽しさとは別に、オタクが夢詰め込んだ感のある感じが最高だな・・・と思いながら見ていた。

ニュージーズ

2012年トニー賞の録画で何度見たかわからん作品。いやいや、イケメンパラダイスなんでしょ〜?と思っていたが、この何度見たかわからん「Seize the Day」で、やっぱり鳥肌興奮してしまって、物語の中に埋め込まれただけでこんなにテンション爆上がりする!?と思ったのだった。

マチルダのラストもそうだけど、曲も振り付けもキャストもいいけどそれだけじゃなくて、物語で通して見るとなんかもう色々最高潮になってしまうやつ。こうしてミュージカルをキメるのがクセになってしまうやつ。

主演ジェレミー・ジョーダンが歌唱コントロール&声量お化けなのはちらりと存じ上げていたが、こう作品を通して、彼の人の良さと言うか人情味あるところが伝わってきて、他のキャストもそうなのだけど、少年役を演じるにあたって純真さが伝わるキャストで固められていて、違和感なく見られた。
なんだったら、少年たちの眩しさに心洗われて、なんか、清らかな心になれる作品だった。

セットもかなり危ない大掛かりなものだったり、期待以上のアンサンブルの身体性だったり、そりゃあメンケン様のぴたっとくるメロディラインだったり、生で見たら本当に面白い作品だったろうなと思った。
録画のカメラワークもめちゃめちゃ凝っていたし、観客の歓声も映像で見るならこれくらい入っていると、気分が盛り上がるのだと言う発見があった。

日本版は、元雪娘トップの咲妃みゆがキャサリン役を射止めていたので、おお!と思っていたのだけど(歌とシアターダンス両輪で行けるのが宝塚OGの強み)、公演中止で残念ですな、、、だった。