チャーリーとチョコレート工場@Lunt-Fontanne Theatre

どもども、最近寒すぎて土日ゴロゴロしているケイです。

最近WOWOWなどで今までより他ジャンルを見る機会を増やしているのだが、どれもこれもこれは胸アツ・・・となる。歳をとると涙もろくなるというけど、同じく萌えもろくなるのかもしれない。そうだ、萌えもろいと言いたかっただけだ。


昨年9月に行って細々続けてきたニューヨーク旅行記もいよいよ終盤戦。今回は惜しまれながら1/14にクローズしたチャーリーとチョコレート工場の感想を残しておきたい。

▽あらすじや各キャストの活躍はいつも参考にさせていただいている、メガヒヨさんのブログがとてもわかりやすいです。
メガヒヨの生息日記「メガヒヨ in NY2017 その3《Charlie & The Chocolate Factory編》」

▽前回の感想はこちら。9.11.のミュージカルドキュメンタリー。

カム・フロム・アウェイ@Gerald Schoenfeld Theatre

2018.01.08

ピュアイマジネーション

この日はマチネでディア・エヴァン・ハンセンを観てからのソワレでのチャリチョコ観劇。念願のディア・エヴァン・ハンセンでは滂沱の涙を流して燃え尽きたため、若干抜け殻のようになってルートフォンティーン劇場へ到着、着席。

「ディア・エヴァン・ハンセン」感想@MusicBox Theatre‎1〜全体とキャスト編

2017.11.20
果たしてウンパ・ルンパたちがひしめくファンタジーの世界にトリップできるのか??
と思ったが、始まったらすぐに引き込まれた。さすがにブロードウェイ作品だ。

緞帳はウィリー・ウォンカの姿が描かれたシンプルなものだった。後述するが、このチャリチョコのプロダクション、装飾は最低限に抑えられ、ピュア・イマジネーションを掻き立てる意図が強かった。

なお、舞台初演は2013年ロンドン、2017年1月までのロングラン公演だった。ひきかえ、ブロードウェイ公演は2017年春〜2018年1月と赤字クローズのかほり・・・。子役のキャストを子供が演じていたウェスト・エンド版に比べて、ブロードウェイ版は大人が演じていたこと、そして精彩を欠いた舞台装置などが批判の対象になったそうな。(以上wikipediaより)

チケットの動きや週単位の集客を見ていても、満席になることがなかった。各方面の感想を見ていても、面白くなくはない・・・けど惜しい・・・というのが率直な感想のようだった。

クリス・チャンボールの存在感

ウィリー・ウォンカ役はクリスチャン・ボール。2015年Something Rotten!でトニー賞の助演男優賞を獲得しているベテラン俳優だ。トニー賞授賞式の放映権がNHKからWOWOWへ移ったことによりBW事情に疎くなり、今年WOWOWに加入するまで彼を存じ上げなかった。しかし、実際に観た舞台上では強い存在感だった。


ティム・バートンの映画版と異なり、冒頭からウィリー・ウォンカは登場する。
圧巻だったのは1幕最後の曲、「It Must Be Believed To Be Seen」。サウンドトラックで予習していた時には、1幕最後が短調って珍しいなぁ暗くね?くらいにしか思っていなかった。観劇当日の感想は、

ウィリー・ウォンカきたーっ!!クリスチャン・ボールぱねぇっ!!

と大・興・奮☆あまりにハマりすぎて、帰ってきてから作業用BGMにこの曲を30曲連続でエントリーしたほどだった。

前半は5組の親子たちの紹介とチャーリーがチョコレート工場の見学チケットを手に入れ、いよいよ工場の中へ!という場面で幕切れとなる。工場の入り口に詰めかける各種親子たち、報道陣。工場の扉からよろよろのおじいさんがヨボヨボ歌いながら出てくると、一瞬の煙ののちに現れるのはウィリー・ウォンカ!紫のジャケット、チェックのベスト、緑のズボンのおなじみの姿への早着替えだ。

ここから、曲としては同じメロディを何回も何回も反復するだけなのだが、ボレロのように徐々に盛り上がっていき、最終的には全参加者がウィリー・ウォンカの歌声に合わせて体をスイングさせる。最後は「金のチケットを勝ち取ったものたち!グループ!ボーレガード!ソルト!ティービー!バケット!さぁ入って!(Golden ticket winners!Gloop!Teavee!Beauregard!Salt!Bucket!Do come In♪)」という掛け声とともに工場の入り口へ参加者が集まり、一瞬の煙とともに全員が消え失せて1幕が終了となるのだ。

この瞬間、胸から頭へ衝撃が突き抜けて行く程かっこいいのだ。工場の不気味さ、ウィリー・ウォンカのクレイジーさ、大人たちの恐れ、子供達のワクワク、それらが入り混じりながらクリスチャン・ボールの歌声でかき回されて、ガツンと観客席に叩きつけられるような感じだ。

最後、工場見学の参加者全員がかき消えるのもしびれる演出だった。1週間上司と部下の間で奔走して、金曜の夜半にビールをゴクゴクっと飲んでクーっとなるような、これだよこれこれ!!感に溢れていた(突然のサラリーマン登場。

ウィリー・ウォンカ役の実力に大いに左右される場面だが、クリスチャン・ボールの舞台の支配力が素晴らしく、この場面を見られただけでもチケット代の意味があるなぁと思えるような大好きなシーンだった。

芸達者な出演者たち

ブロードウェイ版では子供役を大人が演じているということだったので覚悟していたが、実際は身長も小さく、声も高く、子供としてもしっくりくるような役者が演じており違和感がなかった。ブロードウェイの役者層の厚さを実感する瞬間だ。

美少女好きの筆者が心奪われたのは、ワガママなお嬢様ベルーカ・ソルト役を演じていたEmma Pfaeffle様。サインとツーショットをお願いした詳細は以下チャリチョコ出待ち記事をご参照ください。

【NY1】気になる役者を出待ち!

2017.09.19

惜しいと思ったところ

映画のイメージが先行しているせいか、大満足だ!とならなかった今回のチャリチョコ。出演者の歌唱力や身体性、バラエティには文句がないし、曲も素敵だった。やはりさっぱりめの舞台装置と、ダンスなどが少ないことに要因がありそうなので、こんなチャリチョコが良かったなを考えて見た。

舞台装置にモノ申したい

なんというか、期待していたより舞台装置が簡素だった。つたないイラストで恐縮だが、以下のような感じでとにかく余白が多いのだ。

ちなみに天井の穴は、参加者が落ちたり、子供を吸収するパイプが降りてきたり、エレベーターが発出されたりと大活躍する。

舞台の動きは上下左右奥手前のキャストの動きと、空間を埋める装置で決まると思う。

この動きに乏しく、装置もスカスカしておりどうしても舞台上が寂しい印象が拭えなかった。
本プロダクションのセットデザイナーは、Mark Thompson。

▽セットデザイナーMark Thompsonの手がけた舞台はこちら
PlayBill

筆者は「一人の男と二人の主人(One Man, Two Guvnors)」をナショナルシアターライブで観たことがある。これまたイギリスからブロードウェイに上陸して2012年にJAMES CORDENが主演男優賞を獲った喜劇だ。
セットは・・・当時の年代を精巧に作り込んだ住宅、オペラのように大規模な街角、マイクが自動で出入りする張り出し舞台、伝統的でリアリティのあるシックなセットだった。なんだったら、結構好きな舞台セットだった。本気を出せばできるんじゃないか!

というわけで、今回のシンプルセットはやはりピュアイマジネーションを狙って、最低限に抑えられたものだと考えた方が良さそうだ。そうだ、イマジネーションが足りないのだ。ピュアと聞くとココアを無条件で思い出してしまう、汚れちまった大人になってしまったぜ。

2017年オープンのアニメをもとにした「スポンジ・ボブ」。この作品がとにかくデコラティブに装飾や装置、コスチュームを駆使したのと対照的だと思う。

舞台装置に思うこと

ではどんな舞台装置が良かったかなぁ・・・ということを落書きしていたので、ここに残しておきたい。

まずは、中央一箇所ではなく、何箇所にか分散して設置したり、袖の向こうにも広がっているような形の装飾の方が広がりが出たのではないか。

あるいは、高さの出るような装置を置いておくだけでも、余白が埋められるのではないか。ウィキッドやディア・エヴァン・ハンセンがこの柱設置タイプの舞台装置だ。

建物や台を設置しても良かったと思う。ブック・オブ・モルモン、オペラ座の怪人、レミゼなどがこのタイプだ。また、オペラなど古典作品はほとんどこのタイプで舞台上に建物が建築されている場合が多い。高さのある装置だと、役者もそこに登って演技の縦幅も出ると思う。

または、窓を設置して背景に広がりをもたせたり、

背景の幕に追加の景色を書き足してもいいのではないか。ブックオブモルモンはこの背景幕、モルモン教の本拠地にマックなんかも書き込まれていて楽しい。

他にも下記のように、舞台周辺に何かをつけたり(ウィキッド、オペラ座の怪人、スポンジボブ)、オケピを別の場所にして舞台をせりだしたり(ディア・エヴァン・ハンセン、カム・フロム・アウェイ)、舞台の左右に張り出し舞台を設置する(ウィキッド)などもあるなぁ。

ウィキッドが大好きでリスペクトしているのが密かに伝わってしまった気がするが、とにかく今回のチャリチョコは色々想像の余地がある余白っぷりだった。

ウンパルンパ問題

余白が多いと、その分埋めて迫力を出すにはどうするのか?・・・そうだ、ダンスだ。モダンバレエの公演は舞台装置などが一切ない場合が多いが、多彩な踊りを披露するダンサーたちが縦横無尽に躍動することで、寂しさを感じない。

しかし、だ。ウンパルンパは小人なのだ。

では舞台で小人をどのように表現するのか??パペットだ。前半はたっぷり踊っていたダンサーたちが、後半は首に人形をぶら下げて登場する。正座して手でパペットを動かしてダンスをさせるのだ。

想像していただきたい、これがわらわらと出てきて、はね回ったりタップダンスをしたりするのだ。・・・シュールか(^o^)
訓練されて統率が取れているものの、人形ではできる動きも限られてくる。舞台上はしっかりわちゃわちゃしているのだが、すごーい!とはならないのだ。

きっと・・・原作に忠実に作るようにという大いなる意志が働いていたのだろうな。筆者としてはウンパールンパーではなく、謎のエージェントとかに置き換えてバリバリのダンスを披露してもらう方が見応えがあるのではないかと思った。しかし、それはもはやチャーリーとチョコレート工場ではないのだろう。

余談だが出待ちをしていた時に、パペットの動かし方をセサミ・ストリートのスタジオに習いに行ったとダンサーの方々が言っていた。

実際の画像は下記ワードで検索すると出てくる。

charlie and chocolate oompa loompa musical

結局子供達は楽しんでいたのか

演出意図が明確に子供をターゲットにして、想像力を働かせる方向に向いていた以上、それが成功していたのかを問うべきだろう。結局、子供達は楽しんでいたのだろうか?

実はこの観点に気がついたのは帰国してもやもや考えていた時だった。舞台を見ているときは、子供の反応なんて気にしていなかったのである(常に自分が主役の汚れちまった大人。

ネット巡回をする中で興味深いエントリーを読んだのでご紹介したい。
▽annnaさんによるウェストエンド版の感想記事
海外観劇日記「Charlie and the Chocolate Factory」

余談だが、この方の感想記事の中に、今年のナショナルシアターライブで放映予定のエンジェルス・イン・アメリカのエントリーなどもあり非常に参考になった。

▽前回の感想はこちら。9.11.のミュージカルドキュメンタリー。

カム・フロム・アウェイ@Gerald Schoenfeld Theatre

2018.01.08