どもども。暑さカムバック!ケイです。レントに行ってきたので、その感想を残しておきたいと思う。8/12までシアターオーブで上演中です。
筆者はRENTの原作のオペラ「ラ・ボエーム」にとても思い入れがある。初めて見たオペラだからだ。
1幕を中心におおむね鼻歌で歌えるくらい好きな作品なので、レントについても比較しながらの観劇になってしまった。ちなみに鼻歌なのはイタリア語だからです。んふふ〜も〜ミミ〜♪(Mi chiamano Mimì~♪)
とりあえず感想は別途まとめるとして、これだけは言いたい!!
予想以上にラ・ボエームだった!!
初めて観た思い入れあるオペラで、1幕全部鼻歌で歌えるくらいにはラ・ボエーム好き星人なので、大層よこしまな気持ちで観ざるを得なかった。#RENT
— ケイ (@key_s1014) August 1, 2018
▽メトロポリタン・オペラ・ライブビューイング「ラ・ボエーム」の感想はこちら
RENT
— レント来日公演2018 (@Rent2018Japan) August 4, 2018
アメリカのツアーカンパニーの作品。その後のブロードウェイに多大なる影響を与えた作品とのことだった。
エンジェル・イン・アメリカの時に得たエイズや時代背景への知識が理解する上で生きたと思う。
▽ナショナルシアター・ライブ「エンジェル・イン・アメリカ」の感想はこちら
ミミが死なないラ・ボエーム
心を掴まれたのは、もうこれに尽きる。レントはミミが死なないラ・ボエームだった。
最後のミミが死にかけて、生き返るところでグッと心を掴まれた。ここまでラ・ボエームの原作を忠実になぞったストーリーラインだった。特に最後のシーンは男性3人がわちゃわちゃしているところに、女友達が死にかけのミミを屋根裏部屋に連れてくるという原作そのままのシーン。ミミはあともう死ぬだけだ・・・。
だからこそ原作との違いというか、ミミが戻ってくることが非常にドラマティックに響いた。
また、ミミとロジャーが抱き合うところで流れたのは、原作オペラの2人のテーマであるデュエット!エレキギターで原作オペラが流れる中で、ミミが生き返る!最高にロック!!
そうだよね。とジーンときた。オペラの世界ではヒロインである女性の役割は固定されている場合が多い。ラ・ボエームだけでなく椿姫、カルメンなどヒロインの死、病気、あるいは堕落がドラマを盛り上げる装置として使われている名作オペラは多い。
性別にとらわれない愛の在り方を標榜する作品に、悲劇のヒロインは似合わない。友人の支えで彼岸から戻ってきて、今日この日この自分しかない、愛する人がいれば生きていけるのだと歌い上げるシーンはとても力強いものだった。
最後エンジェルが皆に迎え入れられるシーンはもう泣くしかなかった。亡くなった友人たちへの作者ジョナサン・ラーソン自身の気持ちが痛いほど伝わってきて。そして、今はもう会えない大切な人たちを思い出すのだと思う。
ラ・ボエーム好きから見たレント
ミミはともかく、作中のアイドル的扱いであるムゼッタのポジションを複数人で担っていたのが印象的だった。主にはエンジェルとモーリーンがムゼッタの華やかなアリア相当を担当していた。
エンジェルはドラァグクイーンだし、モーリーンはバイセクシャル(しかも元彼と今の彼女が舞台上にいる)。ラ・ボエームは2組のカップルと若手芸術家男子2名の群像劇だが、レントはミミとロジャーの主役カップルに加えて、ゲイとレズビアンの2組のカップルが織り成すサイドストーリーの群像劇に仕立て直されていたのだ。
・舞台がクリスマス
・若手芸術家たちの屋根裏住まい
・家賃を払えず管理人を追い返す
・ロジャーたちが作品を燃やして暖を取る
・ミミがろうそくの火を取りに屋根裏に来る
・ミミが落し物をして、2人で探して恋に落ちる
・手が触れた時に冷たい手と言う
・カフェでみんなで盛り上がる
・モーリーンがソロナンバーを披露する
・(ムゼッタのワルツではないぞ!と揶揄)
・カフェでお会計をせずに去る
・ミミ、パトロンの元へ去る
・ミミ、部屋へ担ぎ込まれる
加えて、主人公たちがエイズに侵されている部分が大きな違いだと思う。期限が分からない死と向き合う時に、今日、その日にフォーカスして希望を持つと言うのは非常に共感が持てるところだった。絶望から立ち上がるには、今この時への集中と、周囲への絆が必要なのだと思う。
ハイレベルな歌を堪能する
全編歌で進行して行く形式だった。来日のミュージカルの最大の楽しみはキャストの実力だと個人的に思っている。
基礎訓練がしっかりしているキャストばかりなので、歌声、ダンスなどの身体性、そしてオーラというか場の支配力まで、好き・・・となる。
【#レント来日公演2018 開幕まであと11日】今回の来日公演に出演するミミ&ロジャーの舞台ショット!No day but today(あるのは今日という日だけ)と迫るミミ、中々一歩が踏み出せないロジャー。ともにHIVポジティブの二人。交差する二人の気持ち、どちらにも共感できるのです。https://t.co/sCuEuP53jR pic.twitter.com/FjiG6Yp1JC
— レント来日公演2018 (@Rent2018Japan) July 21, 2018
個人的には、ミミ役のデリアンドラ・タッカーに夢中になった。セクシーで、スタイル良くて、歌もハスキーでうまくて、オーラがあって・・・こ、こんな人存在するんやー!と謎の感動が襲った。髪形がベリーショートなのだが、とにかくカッコいいのだ。
▽キャスト一覧はこちら
「RENT」クリエイティブ&キャストページ
他の方々も、声の音色が全員特徴があり、耳が幸せな2時間半だった。
会場の一体感
驚いたのは会場の一体感だった。エンジェルの登場の時には拍手、モーリーンのパフォーマンスでは爆笑、手拍子、歓声・・・ここ本当に日本??
会場の中は、レントに対する敬愛で満ちていた。ヘドウィグの公演の時と同じ感動を覚えたのだった。筆者の中では人生のタイミングもあり、ウィキッドとディア・エヴァン・ハンセンが非常に思い入れの強い作品となっているのだが、レントもそう言う自分の人生の一部になっている人がたくさんいるのだということを肌で感じた。
マイケル・グライフやイディーナ・メンゼル・・・私の人生に欠かせない作品たちもレント無しでは製作されていないのだなぁ。
舞台の映像化や映画作品も出ていることを教えてもらったので、引き続きチェックしていきたい。
▽舞台の映像化作品
レント ライヴ・オン・ブロードウェイ (字幕版)
▽オリジナルキャストを多用した映画
レント デラックス・コレクターズ・エディション (字幕版)
▽同じマイケル・グライフ演出の「Dear Evan Hansen」