松竹ブロードウェイシネマ「シー・ラヴズ・ミー」@東劇

どもどもケイです。少女時代は三国志や陰陽師、ギリシャ神話派だったのだけど、大人になってロマンス大好き人間に進化した。フー!すれ違いとか大好物だぜぃ!

というわけで、先週の連隊の娘に引き続き、高クオリティラブコメを摂取してきた。

index

  1. 松竹ブロードウェイシネマ
  2. ミュージカル・リバイバル変遷
  3. 映画リメイクの変遷
  4. コテコテのラブコメ
  5. 役者が絶品
  6. twitterのプロモーション

松竹ブロードウェイシネマ

公式サイトがまさかのインスタでネット・SNSを駆使するミュオタ界にセンセーショナルを巻き起こした松竹ブロードウェイシネマ。

本場のブロードウェイの収録映像を字幕付きで楽しめる極上エンターテイメントだ。ちなみに途中のインタビュー映像などは無い。

ホリディ・インに引き続き2作目


昨年11/10-15で上映していたホリデイ・インに引き続き、2作目のシー・ラヴス・ミー。ロゴも決まり、次回作が7月ということなので、年数本ペースで継続して上演していくご様子。
メトライブもそうだけど、松竹は東劇で数週間単位でライブビューイング上映をしてくれるのがほんとありがたい。

シー・ラヴズ・ミー

原作は1937年ハンガリーのミクロス・ラズロ脚本による演劇「Perfumary」。ブロードウェイオリジナルは1963年のプロダクションだ(トニー賞作品賞含む5部門ノミネート、助演男優賞受賞)。1993年にはブロードウェイリバイバル(トニー賞リバイバル作品賞含む9部門ノミネート主演男優賞受賞)。2016年のリバイバル版にて、第70回トニー賞8部門にノミネートされミュージカルリバイバル作品賞および装置デザイン賞を受賞している。(以上wikiより)
二人の写真
今回は最新の2016年版の録画を日本語字幕をつけて放映している。

1963年に初めて上演された際『シー・ラヴズ・ミー』は当時、ブロードウェイを支配していた、大掛かりで楽曲に大きく依存するミュージカルからの脱却と評されました。これまでとは異なり、こじんまりしていてロマンティックな、綿密に構成された、確固たるキャラクター主導型の作品だったのです。(公式パンフより)

というわけで、ブロンドはお馬鹿女として描かれているし、昨今流行りの人種配慮なども微塵も無いし、本当にハッピーをひたすら追求したザ・古典作品だった!

ちなみに作曲のジェリー・ボックと作詞のシェルドン・ハーニックは「屋根の上のヴァイオリン弾き」のペア。作中曲はどれもキャラが立っていて、洗練されたキュートさがあった。

映画化もされている人気原作

映画では1940年エルンスト・ルビッチ監督「桃色の店」が同原作となる。1949年にはジュディ・ガーランド主演のミュージカル映画「グッド・オールド・サマータイム」にてリメイク。2人は街角でぶつかって出会うロマンティックな映画になっているご様子。


そして、宣伝でも言われるように1998年にトム・ハンクスとメグ・ライアンが主演にて「ユー・ガット・メール」として再リメイクされている。

上記は中盤のカフェのシーン。ユー・ガット・メールでは、2人は手紙ではなくEメールをやり取りしている。

コテコッテのラブコメやで!

あらすじ:手紙をやりとりしている憧れの相手がいるけど、実は職場の憎いアイツだった!?

ものすげぇ序盤にこれが分かるのだが、ラブ米が豊作だー!!(byストレンジ・プラス)って踊りだしたくなった。

手紙で虚勢を張ってるけど本当のことを言い出せない男と、強く振舞っているけど実は夢見がちな女・・・憎み合っているけど実は惹かれあってて・・・胸キュンが止まらんよ!

筆者のキュンキュンメーターが最高潮になったのが、下の写真の曲「Where’s My Shoe?」のシーン。2人でもみくちゃになりながら、お互いの恋心を自覚する。

ローラ・ベナンティの高音が炸裂する楽しい曲だし、すれ違いつつ段々楽しくなっていくコメディの結晶のような場面だ。シーンの最後はお姫様抱っこ。このイケメンになだめられてベッドに寝かされたい女心を狙い撃ちしに来る演出なんなの!(褒めてる。


そして、終盤の恋を自覚してからの2人がアホ可愛いすぎるので、ほっこりなる。上の動画がお互いの思いを歌い上げるシーンなのだが、2人のテンションが高すぎてジワジワくる。

出演者が絶品

ストーリー自体は、ペラッペラに深みもないので(ラブコメはそうであって欲しい)、その分役者の魅力で客席を幸せにする作品だ。出演者それぞれにソロ曲が用意されており、舞台いっぱいに使いながら劇場を支配してエンタメを炸裂してくれる。

特に先週メトロポリタン・オペラ「連隊の娘」を見た後だったので、オペラ歌手とミュージカル俳優の表現の違いが興味深かった。オペラ歌手の表現は歌唱に最重要ポイントが置かれて、歌声で演技をする。一方、ミュージカル俳優は表情やダンスなど、歌唱以外も含めた総合表現なのだ。手先から顔芸まで芸達者な役者たち。

「私を見て!目を離すな!!」という強烈な意思がオーラとして現れるのだと筆者は理解している。ブロードウェイ役者のオーラというか強さみたいなものってケタ違いなのだよな、とこの作品を見ながらシミジミ感じた。

ローラ・ベナンティ

筆者が2013年のトニー賞授賞式を見てなんて綺麗な声なのだろうか、と思っていたローラ・ベナンティ。酒ビンをラッパ飲みする青いドレスの美女というのが強烈に印象に残っていた。


今回は高音域の歌唱力を遺憾なく発揮して、作品の華となっていた。買ってきてもらったアイスクリームに恋心託して歌う曲(曲名はまんまの「バニラ・アイスクリーム」)では、文通相手に向けて書いているのに途中でアイスクリームが邪魔をする爆笑曲。
難しい曲をやすやすと歌うよねぇ・・・。

2019年現在はブロードウェイの「マイ・フェア・レイディ」に出演中だ。

ザッカリー・リーヴァイ

同日公開の映画「シャザム!」でも主演を務めるザッカリー・リーヴァイが主人公ノヴァック役だ。


この恋心を歌うSheLovesMeは、これまた、ちょっ落ち着いて(^0^)て思うような幸せがはち切れそうな曲だ。

真面目で融通がきかずに損をしてしまうけど、その分信頼できる主人公を好演していた。表情豊かで非常にキュート。ザッカリーファンだったら胸キュン爆発して瀕死になるのでは?と思った。
https://twitter.com/warnerjp/status/1119254331356618753
映画シャザムもダサ可愛ヒーローものらしいので、一気に気になってきた。

他にも隙なくズルそうなパリピを演じていたギャヴィン・クリールなどエンタメが詰まっていた。ラスト近くのTwelve Days to Christmasなど、香水店を舞台にした日常を端的に描く曲なども満載で、物語の盛り上がりに従ってテンポアップしていきながらノリノリであっという間の作品だった。

BroadwayHD

今回のシー・ラヴズ・ミーはブロードウェイの作品をオンライン配信するBroadwayHDの提供だ。月額9ドル弱で作品を見ることができる素晴らしい配信サービス。

お手紙すれ違いものが好きなら、こちらのDaddy Long Legsも絶対好きだと思うので、激烈プッシュでオススメしておきたい。
「あしながおじさん」を原作にした2人ミュージカルだ。井上芳雄&坂本真綾主演で日本でも上演している。

蛇足:twitter勢の状況

公式ウェブが無いのと、松竹界隈のオフライン中心のプロモーションのため、チラシをアップするだけでたちまちリツイートをもらえる松竹ブロードウェイシネマ。

引用リツイートとか見ていても、フォロワーさんに教えてもらった!とか口コミ先行・・・。

筆者はフェイスブックとか眩しくて見られない勢なので、ツイッター情報が充実するとありがてぇな、インスタ連携の自動投稿でも良いのでてやんでぇと思った(突然の江戸っ子降臨。この思いをそっとネットの海へ放流しておく。

あと松竹側が当日ホイッと見にいくメトライブやシネマ歌舞伎と同じノリで開催している気がするが、ミュージカルはもう少し裾野が広くて年齢層が低いので、オンラインチケット販売への導線を分かりやすく設置いただけると心安らかに日々を過ごせる気がするぜぃ。

長くなってしまったので、この辺で!