ミュージカル「エリザベート」@帝国劇場

Elisabeth

どもどもケイです。さる御方にチケットを入手いただいたので、話題のエリザベートを観てきた感想を、簡単に残しておきたい。

キャストは以下の通りの組だった。

・エリザベート:愛希れいか
・トート:井上芳雄
・ルキーニ:成河
・フランツ:田代万里生
・ルドルフ:京本大我
・ゾフィー:香寿たつき

この感想書くにあたってキャスト表が必要なのが、東宝感あふれ出ている感じだ。

舞台セットがめちゃ豪華

劇場入った一言めの感想。

よ、予算あるぅ〜〜〜〜!!!

舞台から両サイドに巨大な羽オブジェが生えていた。劇中は可動式の3台の土台、両サイドの天井まで届く襖のような装置と小物だけなのではあるけど、装置が大掛かりだった。豪奢なドレスも生オーケストラもそうだし、とにかく金かけてるぅ〜という印象だった。
今回も6/7〜8/26の長い公演なのと、満席になることが分かっているので強気の姿勢なんだろうな。

入った瞬間に祝祭感があって、これは何回も観に来たくなる気持ちもわかるなぁといったところだ。

愛希れいかの魅力

昨年も宝塚月組で演じて、外部初公演がまたエリザベートだったちゃぴ様。女帝花總まり様と、月に君臨していたちゃぴ様。新旧女帝によるエリザベートが発表された時には、東宝の商売魂をひしひしと感じた。11月からも宝塚のドル箱公演ファントムだし、宝塚ファンの資金を一滴残らず搾り取ってやろう、時代の反映やアートよりまずは銭じゃという東宝の心意気を感じる。

そんな話題の愛希れいか氏を観るのも楽しみにしていたのだが、ご本人を目の前にして納得。とにかく目力が強いのだ。「私だけに」や1幕ラストのリプライズの時に見せる表情は決意に満ちていて、まさにストーリーの主人公のまばゆさだよなぁと何度もオペラグラスをのぞいた。

今まで積み重ねてきたものを感じさせる本人の意志の強さと、それを表現できるだけのお顔やスタイルの造作(大事。みずみずしいオーラにあふれていた。

芳雄トート

観にいったのがトニー賞リアタイを決めた週だったので、芳雄トートが天井から十字架に乗っておりて登場した時はちょっと面白かった。光一くんときゃっきゃしてた姿が記憶に新しいので、長髪ビジュアル系で天井からスーと降りてくるのが!
このためだけに大きな装置用意しているんだよなぁと思うと感慨深い。相変わらずの安定感があった。どれほどのプレッシャーを背負っているのだろうなぁと見るといつも思う。

成河ルキーニ

相変わらず素敵な役者さんだなぁと思った。どんな時でも舞台上で何かしており、目が話せない。彼を初めて観たのが、2013年の新国立劇場「アジア温泉」だった。すごく歌がうまくて、キラキラしていて、動きにキレのある役者さんがいるなぁと思ったらその後、東宝のスターダムを駆け上がっていった。

身体性の高さが1番のウリだと思っているので、今回も階段から飛び降りたり、舞台から飛び降りたり、そのバネの良さを遺憾無く発揮していたのを見られて満足。ルキーニの奇天烈な感じを際立たせていた。結構な高さから飛び降りているので、膝を痛めたりしないかちょっと心配である。

京本大我ルドルフ

今回チケットを入手いただいた方の推しメンだった。事前にジャニーズJr.だと聞いていなければ、顔面がめっちゃ王子様の若手ミュージカル俳優だと思ったであろう。
遠目に見ている2.5次元の役者の大部分が、ビブラートかけない歌唱なので訓練を積んで舞台に立っている姿にとても好感が持てた。

ジャニーズが集客の要になっている舞台も多いので、裏を返せばジャニーズファンは色々な公演に足を運んでいることも多い。話を聞いていると、歌舞伎から不条理演劇、ミュージカル、映画、コンサートまでとても幅広なのだ。キャスト重視で作品で選んでいない分、マイナーな作品でも足を運んでいる。
ガチジャニーズファンは日本で1番多種多様な作品を観にいっている層の1つでは?と最近思うに至っている。

ラスト号泣はしなかった

ミュージカル最後の曲「Der Schleier fällt」はとても好きな曲だ。どれくらい好きかというと、ドイツ語原詩を英語に翻訳し(ドイツ語から英語はほぼ正確に翻訳できる)、それにオリジナルの訳をつけるくらい好きだ(どんだけ。

ちなみに以下のような感じである。

【ドイツ語】
[der Tod:] Der Schleier fällt
Verlass die Schatten
Ich hab’ mich so
Nach dir gesehnt
Laß mich nicht warten

【英語】
[the death:] The veil falls
Leave the shadows
I’m like this
Longed for you
Do not let me wait

レミゼと同じように最後泣くのかなぁと思ったが、最後は以外にも苦い気持ちで終了した。エリザベートの苦難は他人事にして楽しむには少し重すぎるのだと思う。