観たいなぁと思いつつ、中々行くことができなかった白山羊の会が、EPAD事業でYouTube無料配信している!ということで、ホクホクと観劇したので感想を残しておきたい。
Youtube無料配信プロジェクト「STAGE BEYOND BORDERS」
EPAD(緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業)実行委員会の協力のもと、国際交流基金が主催する日本の舞台の配信プロジェクトが「STAGE BEYOND BORDERS」。外国語字幕をつけて、youtubeにて舞台映像を期間限定配信している。
▷STAGE BEYOND BORDERS 第2弾配信リスト
▷【参考】STAGE BEYOND BORDERS 第1弾配信リスト(終了済み)
他に観たいと思っている作品
小野寺修二×首藤康之 空白に落ちた男(2021/11/20〜)
有限会社石井光三オフィス ミュージカル HEADS UP!(2022/3/20〜)
不条理演劇
白山羊の会は1度だけ、2013年に「効率の優先」を観に行った。ラストで、R18のあえぎ大声がシアターイーストに響き渡って暗転で、衝撃を受けた覚えがある。(あと、松本まりか様に夢中になった。)
不条理演劇なるものに初めて触れたので、面白かった気がしたがよく分からなかった!という感想だったのだが、8年が経過しだいぶ観た作品数が増えたので今回は前より楽しめた。
ナショナル・シアター・ライブの「誰もいない国」を観た後だったのも大きかった。前者がボリュームがあるジューシーな不条理ステーキだとすると、白山羊の会は軽くてすぐ美味しい不条理スナックみたいに感じた。
空気を読まない登場人物たち
駅前の広場と思われる噴水に石のベンチがあるワンシーンもの。
登場人物たちが、現実なら流すような違和感や衝動を全部発言することで進んでいく会話劇だった。
気になったところを後から蒸し返したり、衝動に流されて懺悔したり、泣き出したり。会話を投げかけられても、相手の意図を無視して、自分がフォーカスした部分のみ回答したり、自分の性癖に刺さった会話の再現をお願いしたり・・・。
妙な展開
本能のままに会話したらこんな感じ・・・?と思うようなセリフが重なっていく。そのセリフに基づいて、各人物が行動していくので、どこか珍妙な展開だし、そのくせやっぱり退場しないことを繰り返すので、閉塞感がある謎の味わいだった。
また、本能のままに行動する成れの果てとして、性的なところに行き着いてしまうという妙な納得感があった。
会話って消耗するよね
普段はできないような会話が成り立つ独特の気持ちよさみたいなのがあって、この劇団に熱烈なファンがいるのはわかる気がした。
なんというか、相手の意図を受け取って、成立するようにキャッチボールする会話というものは労力がかかるのだな、と再認識するというか。
大暴投上等の自由な会話って思うと、舞台上の人物たちがとても伸び伸びして楽しそうなのだ。
観たい作品ばかりだが、この「STAGE BEYOND BORDERS」シリーズも他の作品も見られるといいなぁ・・・。