どもどもケイです。
2023年末までに今年見た作品の感想メモをアップロードしようキャンペーン(別名、大事なのは質より量だと自分を鼓舞するキャンペーン)2本目。ライフ・オブ・パイの感想を残しておきたい。
※投稿は2023年12月ですが、記事の日時は公開当時のもので投稿しています。
【作品基本情報】
作:ヤン・マーテル
脚色:ロリータ・チャクラバーティ
演出マックス・ウェブスター
上映時間:139分
パペット接種過剰により薄れる感動
すごーくすごーく楽しみにしてたのに、1回目の休憩では、ほーん意外に感動が薄い・・・?と思った。
そう、よく考えると最近うちのリビングでは常にNHK教育テレビがついている。
見いつけた!、おかいつ、いないいないばあ!を1日2回以上見ることもざら。
ストップアニメも含めるとさらに多数の演目をみている。
この辺のコンテンツの素晴らしさに(おかいつって、美術、衣装、歌唱・ダンス含めて本当にすごい。全部オリジナルで日替わり。予算すごい。)ついて語り出すと脱線するのでいつかまとめるとして・・・
とにかく子供向けのパペット劇を毎日浴びる程見ている。
カラフルで短時間集中できるように、でも短い中でも起承転結があって楽しめる、各キャラクターは特徴を捉えつつ、動きも技巧を凝らして面白く、そんな工夫を凝らされた作品たちをこれでもかと見ているせいでパペット劇に求めるものが日々の生活で満たされてしまったのかなと思った。
ボートに動物みんなが現れるところなど、子供を意識した構成とパペットが組み合わされるところが食傷気味…と思うというか。
腰が痛くなりそうな虎含めて、素晴らしかったのだけど、自分の価値観や人生経験とリンクした感動しか呼び起こされないので、舞台鑑賞はつくづく個人的な経験だなぁと思う。
場転の見事さ
船から落ちたところ→病院→ボートのところはうぉおおお!!!となった。
映画では切り替わりができるが、舞台でそれをやり遂げてしまう感動。プロジェクション・マッピングと装置の二重奏は「ブック・オブ・ダスト」を彷彿とさせるものがあったので、もし「ブック・オブ・ダスト」を観ていなかったらもっと感動したと思う。
舞台の溝があるなぁ?と思っていたけど、この突然感の演出は舞台オタクが好きなやつすぎた。
船が主役なのに、船は舞台機構と盆で動かそうという発想と覚悟も含めて、ワークショップなどをじっくり重ねるロンドンの公演ならではの厚みがある演出だと思う。
パイ役の人の身体能力
パイ役のハイラム・アベセカラの身体性から目が離せなかった。というか、体を痛めないのかハラハラしていた。
ジャンプなどちょっとミスると大怪我しちゃいそうなところを行ったり来たり。
空中での停止はどうやってるの…?
役者層の厚みが相変わらずすごい。
しんどいラスト
ストーリーをネタバレせずに観に行ったので、途中からつまりどういうことだってばよ・・・?とは思っていたが、ラストが。
そうかそうか、と思うとファンタジックなストーリーがグロテスクになってしまい、胃に何か重たいものを入れたような気持ちで映画館を後にした。
全体の演出を見返したいとは思ったが、すごく禍々しく感じて中々それは叶わなそうだ。
しかし、最後に毒を盛られる感じ自体は好きだし、幕間のインタビューにもあったが、この作品を舞台へ持ってくる技量はさすがだなぁと思った。