どもどもケイです。もろもろ立て込んでいて、あんまり更新できなさそうなので、更新メモとしてミニ感想を残すことを試みたい。
【獣の柱・お座席状況】「世界」が私たちに何をしたか。ぶっ飛んだ世界観そのものを提示する、SF研究会・イキウメの中でもSF度の高い本作。壊して創り更新しました。当日券は、今のところご来場の皆様にお席をご用意できています。土日もたっぷりご用意する所存です。開演1時間前から販売します。 pic.twitter.com/be2BnMlLs5
— イキウメ/カタルシツ (@ikiume_kataru) May 17, 2019
開始前からチケット完売の人気劇団イキウメ。待望の最新作が「獣の柱」だった。筆者は2012年の「The Library of Life まとめ*図書館的人生(上)」で恋に落ちて以来、ほぼ全作品を追っている。厳密に言うと、カタルシツの何作品かなど短期間のものをいくつか落としているが、とりあえず毎作無条件で駆けつける唯一の劇団だ。
今回は2013年の「獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)」の再構成、再演の本作品。
初演の感想!長編だけど面白い
初演どうだったかなぁ・・・と思うと、短編まとめだと思っていたのに長編だyo!
と言うものだった(どんなだ・・・。
あとは、自分にも目の前が真っ白になるような光が見える気がすると思った。今回は、より研ぎ澄まされていた。どこかのインタビューでも「ゲゲゲの先生へ」などを通じて自分の表現したい世界が見えた、と言う作演出の前川さんの言葉を見かけたけど、まさにそんな感じ。
中の人に話しかけられた
外枠がついたのと、年代が投影されるようになったのが、初演との最大の違いだと感じた。
特に最初に導入として、浜田さんが話しかけてきたのと(浜田さん言うな、最後にどう思いました?聞かれるのは、かなり意欲的な試み?
この数年ナショナルシアターライブの「エンジェル・イン・アメリカ」や、新国立劇場「1984」で見た手法なので、流行っているのかな?とも感じた。
テンポとしてはややもたついたのだが、劇の最終幕が最初につながるようなメビウスの輪の中にいるような気持ちになり面白かった。
最後に二階堂が帰ってくる
あっけにとられたのが、最後に二階堂が得体の知れない存在になって帰ってくるところ。気持ち悪かった。
しかし、この話を寓話としてまとめるのではなく、最後に風呂敷を広げて不気味に終わらしたいのだなぁという意図は汲み取った。綺麗にまとまって示唆に富んでいると感じた前回よりも、混沌とさせたラストだった。
また、「ゲゲゲの先生へ」で感じた「未知の存在」へのリスペクトがこの部分に生きているのだろうと思った。
あと2013年の作品時は地震を彷彿とさせた「柱」だけど、今回は政治とか将来の不安とかもっと大きなものの表現に感じた。
恐怖に身がすくむ観劇
蛇足だけど、怖かった件について。大きな音と逃げられない恐怖が苦手な筆者にとっては、辛い観劇になるだろうなぁと思っていた。
今回は切れ味も鋭く、予想通り中々しんどかった。途中で柱がどんどん落ちてくるところでは、耳を塞いでなんとかしのいだ。(しかも初演を見ていて柱が落ちてくるの分かっているので、更に怖いと言うマッチポンプ。分からなくて怖い、分かっていても怖い。)
同行した友人は音の部分は「うるさいなぁ」くらいで、むしろ人が忽然と消えるシーンで鳥肌が立ったらしい。視覚聴覚か、観客の影響を受けやすい感覚器官によっても感想って違うんだなぁ。
キレッキレで今まで見た中で1番完成されていたと思う。が、これ以上のレベルだとビデオで見るか、イヤーマフを持参するか、選ばなければいけない瞬間が来るかもしれない。
普段ホラーやサスペンス、パニックものを避けている筆者にとって、舞台は強制邂逅。
やっぱり耐性無いし、だからコメディが好きなんだ!コメディって、ブラックでおバカなんじゃ無い!観客を追い詰めない優しさなんだ!という謎の気づきを得た。
あと廃墟っぽいセットが、劇の雰囲気作りに超絶貢献していたところとか色々あるがこのへんで!