コメディが好きなので、ブッ刺さってしまった作品だった。
原語だと例え予習していても数々の皮肉を理解しきれなかったと思うので、日本での翻訳字幕上映に相変わらず感謝しかない。
余談だが、今年ロンドンに行った時丁度上演しており、悩んだ末に枠から外した作品だったので、わー!!観たかった!!でも他の観たものも本当に良かった!!という悔しいやら素敵な作品を見られて嬉しいやらの複雑な気持ちに。
実在しない病弱な友人バンベリーを見舞う名目で社交的な義務から逃げ出すアルジャーノンと、その親友でやはり架空のアーネストという放蕩な弟の振りをしてロンドンへ遊びに来るジャック。それぞれ魅力的な女性に出会った二人は、自分たちが張り巡らせた嘘の網にとらわれて絶体絶命に――!?
以下感想メモです。
好きなところが多すぎて、箇条書き。
冒頭
まず好きだったところ
•紋章のところが野菜の舞台枠
•カバンが幕の中から浮いている
1幕
•オープニングのピンクのドレスで、悲劇のピアノを弾きつつ、同じく女装したジョンと皆と戯れるシーン
•ピアノの音に振りが遅れて、あら!とするなど
•衣装が象徴的
ハイウェストの緑艶々フロックコートのアルジャーノン
•アフリカンな婦人
幕間
•スコットランドスカート、探偵風、と着替えて、田舎風に場転
•シアーブラウス
→のちに出てくるグウェンドリンも地金じゃらづけ、と服装は当時風だが、アレンジは当世風。大変良い。
田舎の庭
•芝生をひいて…と、若干チープな作りの庭。だがその人工感が物語の作りもの感と相まって、大変良い。
•アフタヌーンティーのシーンも実物。食べて飲んで大変そう。
女性2人の日記のくだりとか、小ネタが楽しい。
•死んだはずの弟が…という、あらすじを読んでいても楽しいシーンは、予想通りというか楽しさ爆発。道家みたいな喪服と、派手な白衣装の対比がまた良い。
ラスト:田舎の館
•You are beautiful 〜♩と入ってくる男性陣。最高すぎる。
•本多くない?図書室なの?玄関なの?変だけど楽しい。
•遺産に手のひらを返す、血筋にこだわるのに教養にはこだわらない、身内には甘く人には厳しく、表面がすべてというポーズを皆で決めたり、貴族階級への皮肉に満ちていた。
•ここまで来ると野菜の紋章も、結局金に左右される田舎者の集まりじゃ無いか、というとても皮肉に満ちているのがよく分かる。
•カバン探すところの派手な音とか、枠の外からカバン出すところとか全部やりすぎなのが最高…!
•最終セリフのポーズといい、歌舞伎の見得のように喜劇として決めて欲しいポーズを派手に盛り込んでくれる。
カーテンコール
•皆でカーニバルの紛争で登場。すごく豪華な「てへぺろ」。
•祝祭的な話だよ〜全部冗談だよ〜という話。
全体
•スターキャスト2人がやはりほんと上手いな!?特に、チュティ・ガトゥは大袈裟で芝居がかっているのだが自然という離れ業を終始成し遂げているし、彼の演技を見るだけでも価値があるなぁと。パンフの北村先生の解説を読んでふむふむと重ねて納得。
•バンベリングが面白すぎて。とてもシニカルだし、名前をそのまま動詞にするのも。日本語だとバンベる、かな。
•女性陣がパワフル。セリフとかけ離れて、彼女たちが実権を握っている形にして、現代感覚とのバランスを取っていた。
•オスカーワイルド事件は、The Invention of Loveを観た時に予習したので、男性同志女性同士のやりとりや、4人でくんずほづれつ的に
衣装
•アルジャーノンのシアーフリルシャツや、グウェンドレンの地金ネックレスじゃら付けなど、あちこちに現代エッセンスが。
•叔母はアフリカンな髪型で、グウェンドレンもカーリーヘアを玉ねぎアレンジ。
黒人をアフリカルーツのオシャレにするのはとてもブリジャートンを感じた。
•セシリーはフワフワ水玉スカートに、ロケットネックレスを短めに付けて少女性を表現。
ゴールドのバングルにパールのピアス、サファイアっぽい指輪と、絵画に出てくるような女の子風味なのにアクセサリーで現代感があってとても可愛いコーディネートだった。
•お葬式として登場するシルクハットに長いリボンが付けられていたり、いかにも喜劇の強調。
•主人公の肉感的な体型を補正する、1幕のコート、2幕の純白のベストとパンツ
ブリジャートンなのか?
•プロポーズ後の叔母に断られた後の慰めの時の曲は、ブリジャートンS1のクライマックスに流れた曲だったり
•最終幕前の場転からの曲のストリングスアレンジといい、やっぱりどこかブリジャートン感が。


