ナショナルシアターの演劇をサブスク配信で見られる「NT at Home」。WEBサイトもだが、スマホアプリがとても秀逸なので、少しでも興味があったらダウンロードして損はないと思う。
コロナは災害以外の何者でもないが、本場ロンドンまで行かなくても良質の舞台が見られるようになったのは、極東の小市民には朗報だった。
英語!!
ただ、このNT at Homeの問題は英語字幕なことだ。
会話劇を理解する英語力も、単語力もないし、全ての脚本を読み込むのも難しいんですが!(^0^)
と思っていたが、NT at Homeの作品の半分くらい(体感)は古典作品!
有名作品が多いので、日本でも同じ脚本の上演があったり、日本語の解説があったりする。
日本語の情報を読んでいれば、最低限の話の筋と、今何をしているシーンなのか分かるので、あとはこっちのもんよ(こっちのもんって。
演出や役者の動作に注目していれば楽しめる。せっかくの機会なので、気軽に沢山作品を見ていきたい。そして、偉そうに感想を書いていきたいと思う。
フェードル
ギリシャ神話を題材にした1677年のフランスの古典だ。もちろん、Wikipediaのあらすじ(すごく詳しくて助かった)と、大竹しのぶ主演の過去の日本公演情報などをガン見しながら視聴した。
英語字幕があっても単語が難しく、字幕だけの理解は困難だったと思われる。
ヘレン・ミレン様を味わう舞台
大御所ヘレン・ミレン様が義理の息子に恋しちゃうクレイジー王妃フェードル役。とにかく彼女の狂気を楽しむ舞台だった。
何回か衣装替えがあったがどれも素敵!冒頭でヴェールを被った紫のドレス、白い長衣など。髪型も編み込んだりハーフアップにしたり、シーンに合わせて装飾品をつけ外ししたりと見ていて楽しかった。
嫉妬に狂ったりするシーンは、ヘレン・ミレン様自身もどこか楽しそうだった。登場から涙を流していて、芸達者だな・・・。
装置が、洞窟と海岸を再現したような開放的なもので、まさにギリシャ神話という感じ。古典のせいかあとのメンバーも恋愛脳でモッタリと進行していくような話だった。
現地の貴重な1本として観ると、ヘレン・ミレン様を見た!!という感想以外残らなさそうなので(いや配信でもそうだけど)、こういう舞台もつまみ食いできるのがお家NTの良いところだと思った。