METライブビューイング「リゴレット」@東劇

どもどもケイです。外は花粉の嵐ですね。寝室周りを聖域と呼び、外から帰ったら全てを洗濯し浄化して、毎日を過ごしている。

久しぶりにメトライブを映画館へ観に行ったので、感想を残しておきたい。都内へのお出かけ自体が数ヶ月ぶりだったので、東劇に向かう途中、銀座の街をぶらつきながら、街行く人々のオシャレさにびっくりしたのだった。

コロナでも皆、素敵な装いで銀座へ繰り出すのだと街を見て感動した(普段は部屋着ののび太くんみたいな格好で観劇に行くが、今回は銀座にビビって化粧をちゃんとしたので余裕がある人。

再びのリゴレット

リゴレット初めて!道化が主人公とか!ワクワク!と見始めて、2/3ぐらいのところで見たことあるな・・・と気がついたのが今回のハイライトです(真顔。
そう初めてではなく、別演出で10年ほど前に見たのだ!忘れっぽいと、毎回新鮮な気持ちで作品と向き合えて良いね!(良くない。

隠のリゴレット

言い訳としては、前回が陽のリゴレットだったら、今回は隠のリゴレットだったことにある。

前回2012/13は、1960年代のラスベガスを舞台にしたマイケル・メイヤー演出のリゴレット。マイクで歌うシナトラ公爵、乱れ飛ぶネオンサイン、そして酒場のシーンでのセクシーなボールダンス!照明が凝ったド派手リゴレットだった・・・はず。

▷M.メイヤー版の画像と解説

今回2021/22は、1920年代のワイマールドイツが舞台のバートレット・シャー演出のリゴレット。第一次世界大戦が終わり、1929年世界恐慌とともにファシズムが台頭していく、まさにその直前の貴族の最後、そして抑圧的な時代の話になっている。

音楽はハッピー&キャッチー

プリキュアみたいな見出しになってしまったが、音楽はメロディラインが取りやすく、ノったりうっとりしたりしやすいものが続く。

年初に色々な意味で話題になった、下手に難しいミュージカルよりもポップで聞きやすいのではと思った。暗い舞台セットなのに豪華で楽しい音楽!となっていて、なんかミスマッチ・・・と思うシーンはあった。

盆でスピーディー展開


今回特筆すべきは巨大なセットの載った盆。この盆ぐるぐる回ることで、シーンが冗長になることなく、場転で流れが途切れることなく、飽きずに見られるような工夫がされていた。

トニー賞リアタイわくわく勢からするとバートレット・シャーと言えば、演劇とミュージカルの人という印象。

近年だけでも、2015年謙&I(渡辺謙出演の王様と私)、2016年屋根の上のヴァイオリン弾き、2017年オスロ、2018年マイ・フェア・レディ新演出版、2019年アラバマ物語(To Kill a Mockingbird)・・・改めて、なんかもうすごい。
メトオペラ演出は、今回のリゴレット、ロミオとジュリエット、Two Boys、セビリアの理髪師、オテロ、ホフマン物語、愛の妙薬、など。セビリアの理髪師とロミジュリはメトライブで観たな。記憶力よ・・・。
セビリアの理髪師は有名な銀橋があるver(突然のヅカ用語の乱入、そしてロミジュリはダムラウ様が可憐すぎてロミオが壁をスパイダーマンみたいに駆け上っていたはず(記憶力よ・・・。

▷参考wikipedia
▷参考リンカーンセンターのページ
松竹ページ:バートレット・シャー演出「セビリアの理髪師」
松竹ページ:バートレット・シャー演出「ロミオとジュリエット」

こう見ていると、やはりミュージカル畑出身のオペラ作品がとても好きだなぁと思う。演目もわかりやすくエントリー層向けの制作なので、万年初心者にも優しいのかもしれない。

▷王様と私の感想はこちら

最後のピンスポ!最高!

特に今回とても心に残ったのが、ジルダが死を覚悟するシーンだ。ピンスポットが彼女に当たり、他は赤い仄暗い照明へ。歌手は舞台手前に出て、心象風景を描き出す舞台ならではの演出だった。オタクが好きなやつーー!!

物乞いを演じる本来のジルダは観客には見えないが、スパラフチーレとマッダレーナの演技で酒屋に入ったのだとわかる。一方、歌手はピンスポの中で心情を歌うことで、観客にはジルダの心が見えるような仕掛けになっていた。
直前の雷の音含めて大胆な演出だったが、純粋なジルダを全面に出すことに成功していたと思う。

時間切れになってしまったので、観劇後のつぶやきを貼っておく。

旅行も観劇も1個行くと次が行きたくなるよね!