どもどもケイです。なんか地球が冷凍庫に入ったような寒さですね(主語大きめ。感想が追いつかないまま年末になりそうです。
https://twitter.com/key_s410/status/1069956908843327490
という訳で、無事!今年のナショナルシアターライブ8作品を完走しました!!カルチャヴィルさんありがとうございます。
ナショナルシアターライブの裏側はこちらのセミナー参加記録をご覧ください。
フォリーズ
NTL『フォリーズ』吉祥寺オデヲンに12/7〜登場!夫婦で観たらお互い選ばなかったあの人に思いを馳せてしまったり・・でも鑑賞後は「夫婦ってこんなものかな」って思えるはず。良いのか悪いのか、お薦めしているの否か・・とにかく華やかな歌も踊りも楽しめるミュージカルです!https://t.co/EVUwlninlR pic.twitter.com/WMAEXseb1R
— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) November 27, 2018
まずは10月のこちら!ソンドハイム作曲の1971年ブロードウェイ初演ミュージカル。folly(愚行)たち、ということで取り壊される劇場を舞台に、過去の恋人たちの愚かしくも愛おしい軌跡が描かれていく。ミュージカルと言いつつドラマが強くて音楽劇のようだ。
過去の自分から逃れられない
現代の廃劇場で中年の女性男性がドラマを繰り広げる後ろで、ぼんやりと同じように振る舞う若かりし頃の男女たち。
もはやスポットライトが当たっていない状態で、派手なドレス姿の若かりし頃の女性がにっこりと佇んでいたり。怖かった。
廃劇場が持つ力をずっと感じて辛かった。また、まとわり付くのは過去の自分自身なので過去から逃れることはできないということ?とちょっぴり絶望した。
今の延長線上にしか未来はないし、ホグワーツにも一生入学できないのだな(ファンタビを観た直後の人。
最高級フィレ肉のような劇
みんな大嫌いなアンブリッジ先生ことイメルダ・スタウントンが妄想たくましい冴えない中年女性を爆発させていたり、役者が皆芸達者で楽しい。芸達者というか、あまりキャパが無い劇場にこれだけの実力ある女優たちを突っ込めるのは、イギリスのなせる技か、国立劇場の補助金のなせる技か。
2012年のブロードウェイミュージカル「End of the Rainbow」のジュディ・ガーラント役トレイシー・ベネットが出演していたので、おっ!となった。トニー賞授賞式の映像で何回も何回も見た人だー!!
筆者の人生経験が薄いからか、夫婦経験が足りないのかどっぷりハマる作品にはならなかった。しかし、豪華で見て悔いなし!
ヤング・マルクス
11/23公開のNTLive『ヤング・マルクス』では、いよいよロリー・キニアの登場です!と、大げさにロリー・キニアに言及してすみません。でも、やはり素晴らしい役者さんです。コメディからシリアスなシェイクスピアまで、演じるキャラに引き込まれる高い演技力は『ヤング・マルクス』でも健在です。 pic.twitter.com/bHer8dv8z2
— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) November 13, 2018
そして11月のこちら!ニコラス・ハイトナー演出など「2人の主人と1人の男」のスタッフが集結した作品ということで、おばか正統派コメディを期待して行った。のだが、あれれ??頭良く無い??
実際は笑いあり涙あり、ミステリーあり人情物ありの技巧派作品だった。
未来を変える男の物語
大学でマルクス・エンゲルスを習った以来のマルクスだよ。秘密警察が詳細すぎて、お尻のイボを自分で切っていたことまで後世に残っているマルクス。そして、それをブリッジ・シアターの柿落とし公演で忠実に再現する製作陣。そんな作品だった(どんな作品だ。
途中ダーウィンが出てきたり、産業革命期のロンドンの街並みのおもちゃ箱のようなセットだったり。ロンドンの現地住民だったらもっと楽しかったのかな。と、新ゴジラで弊社が破壊された時にテンション上がった筆者は思った。
弱者が搾取されている世界、難民がやがて世界を変えるような理論をぶち上げていくその様子、天才のあり方など考察が楽しい劇だった。
クズ男ことマルクス
今回は、学生以来の観劇となる同行者がいた。動員に貢献したのだ(誘った動機が不純。友人曰く、「予習の時にはエンゲルスがなんでマルクスにこんなに良くするのか腑に落ちなかった。お金貨したり、一方的に尽くしている。劇を見て、どうしてかわかった。」とのことだった。
確かに、エンゲルスは忠犬感があったよね。
クズ男で許せないのだけど、天才で皆の希望の光となる人物ーーセリフの積み重ねから登場人物の関係が浮かび上がるのが舞台の醍醐味だなぁとしみじみ思った。楽しんでもらったようで、ホッとした。
ロマンス美味しいよ
筆者がぐっと来たのは、妻との関係だ。今回マルクスは、メイドのニムとの間に子供を作ってしまう。妻ジェニーはその事実にうっすら気づきつつ、気づかなかったふりをして優しい日常に戻るんだよね。
それだけだとクズ男!女は弱い!となるのだけど、そこに至るまでに皆の集会のシーンがある。ジェニーとマルクスは同じ穏健派で、ジェニーが収められなかった場を引き継いで、マルクスは言葉の力で皆をまとめ上げる。惹きつけられる聴衆たち。惚れてまうやろー!!!
貴族の地位を捨ててまで、金持ちの男を振ってまで、才ある男を信じ抜く。ハーレクイン的な展開で、胸キュンしたのだった。最後にマルクスからの感謝の手紙の朗読があるけど、絶対そんな人じゃなかっただろうなと思った。でもいいのだ、脳内妄想は自由だ!
今日はこの辺で!
▽前回のナショナルシアターライブ「イェルマ」はこちら
▽前前前回のナショナルシアターライブ「アマデウス」はこちら
▽年末のアンコールも楽しみだ!
12/15より《年越しだよ!豪華NTLiveアンコール祭り@シネ・リーブル池袋》開催決定★
2018年の見納め、そして2019年の見初めにぴったりのNTLive特別上映企画です!この機会に思いっきりNTLiveの過去作品をお楽しみください。
上映作品と上映日を只今facebookに投稿しました。https://t.co/4AXqLxfPdU pic.twitter.com/mLFFzZouJx— ナショナル・シアター・ライブ (@ntlivejapan) November 28, 2018